警察から3回目の感謝状――道に迷う80代女性を救った警備員の行動から学ぶこと
- sinsirokeibi
- 1月25日
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2025年1月、読売新聞オンラインで、ある警備員の行動が紹介されました。栃木県壬生町に住む警備員、**朝日庸介さん(39)**が、道に迷っていた80代の女性を保護したとして、栃木県警宇都宮南署から感謝状を贈られたという内容です。
朝日さんが女性を発見したのは、昨年12月29日の午前0時10分ごろ。場所は県総合運動公園内で、深夜にもかかわらず、薄着の高齢女性が一人で歩いていました。
時間帯、場所、服装。どれをとっても「少しおかしい」と感じる状況です。
朝日さんは「何かあってからでは遅い」と考え、女性に声をかけました。話を聞くと、女性は道に迷っている様子だったため、すぐに110番通報し、警察官が到着するまで付き添いました。結果として女性は無事に保護され、事故や体調悪化などの事態を未然に防ぐことができました。
なお、朝日さんが高齢者を保護して感謝状を受け取るのは、これで3回目だといいます。
この行動の「良かった点」
この出来事で特に評価すべき点は、決して派手な対応ではありません。むしろ、警備員としての基本を、愚直に実行したことにあります。
第一に挙げられるのは、違和感を見逃さなかったことです。深夜の公園を歩く高齢女性を見て、「珍しいけれど、まあいいか」と流さなかった。この「立ち止まる判断」がなければ、すべては始まりませんでした。
第二に、ためらわず声をかけたことです。声掛けは簡単なようで、実は最も心理的ハードルが高い行動です。「もし違っていたらどうしよう」「不審者と思われないだろうか」そうした迷いを越え、自然に声をかけています。
第三に、自分だけで抱え込まず、警察につないだことです。無理に連れ帰ったり、自己判断で解決しようとせず、適切に110番通報を行い、到着まで付き添った。これは警備員として非常に正しい判断です。
特別なスキルではなく、基本を守る。その積み重ねが、結果として人命を守りました。
日頃から大切にすべきこと
朝日さんは感謝状を受けた理由について、こう話しています。
「普段からささいなことを見逃さず、周りに気を配る心がけが役に立った」
この言葉は、警備の仕事に限らず、多くの現場に共通する重要な視点です。
警備員の仕事は、「何も起きない」ことが成果です。そのため、どうしても油断が生まれやすくなります。しかし、事故やトラブルは、いつも「ささいな違和感」から始まります。
・いつもと違う時間帯・普段見かけない行動・場にそぐわない服装こうした小さなズレを、「気のせい」で終わらせない姿勢が重要です。
また、周囲に気を配るということは、常に緊張し続けることではありません。自然に見る、自然に感じる。それを習慣化しているかどうかが、いざという時の判断を左右します。
朝日さんが3回も感謝状を受けているのは、運が良かったからではありません。日常の意識の積み重ねが、結果として表に出てきただけなのです。
よりよい警備員を目指して
今回のニュースは、「立派な警備員とは何か」を改めて考えさせてくれます。それは、常に事件を解決するヒーローではありません。
・異変に気づく・声をかける・必要なところにつなぐ・最後まで見届ける
この当たり前を、当たり前に続けられる人。それこそが、信頼される警備員ではないでしょうか。
朝日さんは、感謝状を受けた後もこう語っています。
「これまでと変わらず、社会貢献できるよう仕事をしたい」
評価を目的にせず、日常を丁寧に積み重ねる。その姿勢こそが、警備の質を高め、地域の安心につながっていきます。
警備員は、社会の最前線に立つ仕事です。目立たなくても、人の命や安全に直結しています。
今回の記事は、「良い警備とは、特別なことではなく、日々の心がけから生まれる」ということを、静かに、しかし力強く伝えてくれています。



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