旗を振ることが仕事ではない ― 目的と方法を取り違えないために
- sinsirokeibi
- 11月4日
- 読了時間: 2分

警備員の仕事の目的は、現場の安全を守ることです。
そして、その安全を確保することで、作業員の方が安心して作業できるように、間接的に支えることでもあります。
私たちは「現場を止めないために、現場を守る」――それが警備の本質だと感じています。
そのための方法として、時には車を停め、時には車を流します。
周囲の状況を見ながら、どの瞬間にどちらが安全かを判断する。それが警備員に求められる大事な役割です。
しかし現場で時々気になるのは、「やたらと白旗を振って誘導する警備員」です。
中には、「旗を振ることが仕事」だと勘違いしているのではないかと思う場面もあります。
もちろん、旗を使った合図は誘導の基本です。
ただしそれは目的ではなく、方法です。
旗を振ることそのものが仕事ではありません。
旗を振ることで「何を伝えたいのか」「誰をどう動かしたいのか」――そこまで考えて初めて、旗の意味が生まれます。
目的を意識しないまま旗を振っても、動作は派手でも、効果は薄くなってしまうものです。
この「目的と方法を取り違える」現象は、実は警備に限った話ではありません。
どんな仕事でも、同じことが言えると思います。
たとえば報告書を書くことが「仕事」ではなく、報告書を通じて「情報を正しく伝えること」が目的。
掃除をすることが「仕事」ではなく、「快適で安全な環境を保つこと」が目的。
どんな業種でも、方法ばかりに気を取られると、本来の目的を見失ってしまいます。
警備の現場では、一見すると単純な作業の繰り返しに見えることもあります。
だからこそ、「何のために自分は今ここに立っているのか」を意識し続けることが大切です。
旗を振ることの先にある“目的”を考える――その積み重ねが、現場の安全を支える力になるのだと思います。



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