【現役警備員が語る】「テトリス上手は警備上手」"テトリス”と"警備”の意外な共通点とは
- sinsirokeibi
- 2025年11月18日
- 読了時間: 12分

「テトリス上手は警備上手」という説は、実は的を射ています。この記事では、現役警備員がテトリスと警備の仕事に共通する5つのスキルを徹底解説。瞬時の判断力や予測力といった能力が、実際の警備現場でどのように活かされるのか、その理由が具体的にわかります。
1. 「テトリス上手は警備上手」は本当か 現役警備員が解説
「テトリスが上手い人は、警備の仕事も上手い」。インターネットや警備業界で時折ささやかれるこの言葉、あなたも耳にしたことがあるかもしれません。一見すると、ビデオゲームと人々の安全を守る仕事には何の関係もないように思えます。しかし、長年警備の現場に立つ私の経験から言えば、この言葉は単なる都市伝説ではなく、多くの点で真実を突いています。
もちろん、テトリスのハイスコアが警備員の能力に直結するわけではありません。しかし、テトリスをプレイする過程で無意識に鍛えられる特定のスキルが、警備業務を遂行する上で非常に重要な役割を果たすのです。それは、刻一刻と変化する状況を正確に把握し、次に起こりうる事態を予測し、瞬時に最善の行動を判断するという、一連の思考プロセスです。
具体的に、テトリスで養われる能力と警備業務で求められるスキルにはどのような関係があるのでしょうか。以下の表で、その関連性を簡単にご紹介します。
テトリスで鍛えられる能力と警備業務で求められるスキルの比較 | |
テトリスで鍛えられる能力 | 警備業務で求められるスキル |
落ちてくるブロックの形と配置スペースを瞬時に把握する力 | 人や車両の流れ、施設の状況を素早く正確に把握する空間認識能力 |
次に出現するブロックを考慮して配置を考える力 | 潜在的なリスクやトラブルの発生を未然に察知する予測能力・危険予知 |
迫るブロックに対して最適な配置を即座に決める力 | 緊急事態や予期せぬ出来事に対して的確な対応を導き出す迅速な判断力 |
ゲームオーバーになるまで高い緊張感を保ち続ける力 | 長時間の監視や巡回でも注意力を切らさない持続的な集中力 |
このように、ゲームと実務というフィールドの違いこそあれ、求められる思考の根幹には驚くほどの共通点が存在します。次の章からは、これらの共通点について、実際の警備業務の例を挙げながら、さらに詳しく掘り下げて解説していきます。
2. テトリスと警備の仕事 5つの意外な共通点
一見すると全く関係のない「テトリス」と「警備」の仕事。しかし、人気パズルゲームであるテトリスを極めるために必要な能力は、プロの警備員に求められるスキルと驚くほど多くの共通点を持っています。ここでは、その意外な5つの共通点を具体的に解説します。
テトリスと警備業務における必要能力の比較 | ||
共通する能力 | テトリスでの活用場面 | 警備業務での活用場面 |
空間認識能力 | ブロックの形状とフィールドの隙間を瞬時に把握する | 施設の構造や監視カメラの映像を立体的に捉える |
予測能力 | 次に落ちてくるブロックを見て数手先を読む | 人の流れや不審な挙動から危険を予知する |
迅速な判断力 | 限られた時間でブロックの最適な配置を決める | 緊急事態発生時に即座に最善の行動を選択する |
持続的な集中力 | ハイスコアを目指し長時間画面に集中し続ける | 深夜の監視業務などでも緊張感を維持する |
冷静な精神力 | ブロックが積み上がるプレッシャーの中で的確に操作する | トラブル発生時にもパニックにならず沈着に対応する |
2.1 共通点1 瞬時に状況を把握する空間認識能力
テトリスでは、落ちてくるテトリミノ(ブロック)の形と、すでに積み上がったブロックの地形を瞬時に把握し、最適な配置場所を見つけ出す「空間認識能力」が不可欠です。これは警備の仕事においても同様で、巡回ルートの構造、監視カメラに映る人や物の配置、駐車場の車両の隙間などを立体的に捉え、異常や危険をいち早く察知するために極めて重要なスキルとなります。
2.2 共通点2 次の展開を読む予測能力と危険予知
多くのテトリスでは、次にどのブロックが来るか(ネクスト)が表示されます。上手なプレイヤーは、その情報をもとに数手先の展開を予測し、戦略的にブロックを積み上げていきます。この「予測能力」は、警備業務における「危険予知」に直結します。雑踏警備での群衆の動き、交通誘導での車両の流れ、不審者の些細な挙動などから「次に何が起こるか」を予測し、事故やトラブルを未然に防ぐのです。
2.3 共通点3 最善の一手を導き出す迅速な判断力
テトリスはスピードが上がるほど、判断にかけられる時間は短くなります。その一瞬で、ブロックを回転させるか、どこに落とすか、あるいは一旦保留(ホールド)するかといった最善の一手を選び続けなければなりません。警備の現場も同様に、火災の発生、急病人の発見、不審者の侵入といった緊急事態において、限られた情報と時間の中で、マニュアルと状況を照らし合わせ、最も被害を抑えられる行動を即座に判断する力が求められます。
2.4 共通点4 長時間途切れない持続的な集中力
テトリスでハイスコアを狙うには、長時間にわたって画面に意識を向け続ける「持続的な集中力」が必要です。一瞬の気の緩みが、取り返しのつかないミスに繋がります。これは、特に変化の少ない夜間の施設警備や監視センターでのモニター監視業務で重要です。何時間も何事も起こらない平穏な状況が続いても、万が一の事態に即応できるよう、常に高いレベルで集中力を維持し続ける必要があります。
2.5 共通点5 プレッシャー下で対応する冷静な精神力
ゲーム終盤、ブロックの落下速度が上がり、フィールドが天井近くまで埋まってくると、プレイヤーには強烈なプレッシャーがかかります。その中でミスなく的確な操作を続けるには「冷静な精神力」が欠かせません。警備員もまた、クレーム対応や侵入者との対峙、災害発生時といった極度の緊張状態において、パニックに陥ることなく、冷静沈着に状況をコントロールする精神的な強さが不可欠です。
3. テトリスで培われる能力が活きる警備業務の具体例
前章で解説したテトリスと警備の5つの共通点。では、それらの能力は実際の警備業務において、どのように活かされるのでしょうか。ここでは「施設警備」「交通誘導警備」「雑踏警備」という3つの代表的な業務を例に挙げ、テトリスで培われる能力が現場でいかに役立つかを具体的に解説します。
3.1 施設警備における巡回と監視業務
オフィスビルや商業施設、工場などの安全を守る施設警備は、テトリスで養われる能力が直接的に活かされる業務の代表格です。特に、巡回業務や監視業務ではその真価が発揮されます。
巡回業務では、決められたルートを歩きながら、施設内の「いつもと違う」点にいち早く気づくことが求められます。これは、テトリスの盤面全体を見渡し、ブロックのズレや隙間を見つけ出す「空間認識能力」と酷似しています。普段は閉まっているはずの扉、見慣れない荷物、消えているべき照明など、些細な異変を察知する能力が、侵入や火災といった重大なインシデントの早期発見に繋がるのです。
また、防災センターでの監視業務では、多数の監視カメラの映像を長時間見続ける「持続的な集中力」が不可欠です。テトリスでハイスコアを目指す際に途切れない集中力は、モニター映像のわずかな変化を見逃さないために極めて重要となります。異常を発見した際には、状況を即座に分析し、応援要請や現場確認といった最適な行動を決定する「迅速な判断力」も試されます。
3.2 交通誘導警備における車両整理
工事現場や商業施設の駐車場などで、車両と歩行者の安全を確保する交通誘導警備は、まさにリアルタイムで動くパズルゲームと言えるかもしれません。
絶え間なく流れてくる車両の速度、大きさ、台数を瞬時に把握し、次にどの車両をどこで停止させ、どちらを優先させるかを判断する作業は、落ちてくるテトリミノの形状と落下速度から最適な配置場所を予測する「予測能力」そのものです。歩行者の動きや対向車の状況など、複数の要素を同時に考慮しながら、渋滞や事故を未然に防ぐためには、盤面全体をコントロールするような思考が求められます。
予期せぬ車両の割り込みや歩行者の飛び出しといった突発的な事態が発生した際には、プレッシャーの中で冷静に対応する「精神力」と「判断力」が試されます。これは、テトリスのスピードが上がり、ブロックが積み上がってくる緊迫した状況下で、冷静に最善の一手を探し続ける感覚と非常に似ています。
3.3 雑踏警備における群衆コントロール
花火大会やコンサート会場、駅など、多くの人々が集まる場所での雑踏警備では、個々の動きではなく、群衆全体の流れをコントロールする高度な能力が重要です。
人の流れの密度や方向を俯瞰的に捉え、危険な滞留が発生しそうな場所を予測することは、「危険予知」と「空間認識能力」の賜物です。これは、テトリスでブロックが積み上がっていく様子から、次にどこが危険になるかを予測し、先手を打ってラインを消していく戦略的思考に通じます。群衆を一つのブロックの集合体として捉え、流れを最適化することで、将棋倒しなどの重大事故を防ぐのです。
万が一、パニックや急病人が発生した際には、冷静さを失わず、的確な指示で周囲の混乱を最小限に抑える必要があります。極度のプレッシャー下で最善の行動を選択する「冷静な精神力」は、大勢の人の安全を守るための最後の砦となります。
警備業務とテトリスで培われる能力の関連性 | ||
警備業務 | 特に活かされるテトリス能力 | 具体的な活用シーン |
施設警備 | 空間認識能力・持続的な集中力 | 巡回中の不審物発見、監視モニターでの異常察知 |
交通誘導警備 | 予測能力・迅速な判断力 | 車両の流れを整理し、渋滞や事故を未然に防止 |
雑踏警備 | 危険予知・冷静な精神力 | 群衆の流れをコントロールし、将棋倒しなどの事故を予防 |
4. テトリスが苦手でも大丈夫 警備員に必要なその他のスキル
これまでの章でテトリスと警備業務の意外な共通点について解説してきましたが、「ゲームはあまり得意じゃない…」と不安に思った方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。テトリスで培われるような能力は警備業務に役立つ要素の一つに過ぎず、それが全てではありません。むしろ、実際の警備現場では、これからご紹介するようなスキルの方がより重要視される場面も数多く存在します。
4.1 円滑な業務遂行に不可欠なコミュニケーション能力
警備員は一人で黙々と任務にあたるイメージがあるかもしれませんが、実際には多くの人々と関わるコミュニケーション能力が極めて重要です。施設の利用者様への丁寧なご案内や道案内、緊急時における同僚や関係各所への的確な報告・連絡・相談(報連相)、チームでの連携など、円滑なコミュニケーションがなければ成り立たない業務がほとんどです。相手に威圧感を与えず、冷静かつ丁寧に対応する対人スキルは、現場の安全と信頼を築く上で欠かせない能力と言えるでしょう。
4.2 任務を全うするための基本的な体力と自己管理能力
警備業務には、長時間同じ場所で立ち続ける「立哨(りっしょう)」や、広大な敷地を定期的に歩いて見回る「巡回」などが含まれます。そのため、任務を最後までやり遂げるための基本的な体力は必須となります。また、日勤だけでなく夜勤を含む不規則なシフトに対応するためには、日頃から自身の健康状態を良好に保つ自己管理能力が求められます。特別な運動能力は必要ありませんが、安定して勤務を続けるための健康管理はプロの警備員としての重要な資質です。
4.3 信頼の礎となる強い責任感と誠実な人柄
警備員の最も大切な使命は、契約先であるお客様の生命、身体、そして財産を守ることです。この重責を担う上で、「自分が任された場所は絶対に守る」という強い責任感が不可欠です。また、たとえ誰の目にも触れない場所であっても、定められたルールや手順を忠実に守って業務を遂行する誠実さも同様に重要です。警備業務は信頼関係の上に成り立つ仕事であり、真摯な勤務態度そのものがお客様の安心に直結します。
4.4 警備員に求められるスキルのまとめ
テトリスで養われる能力以外にも、警備員には多様なスキルが求められます。これらの多くは、入社後の研修や実務経験を通じて十分に身につけることが可能です。
スキルカテゴリ | 具体的な能力・資質 | なぜ警備業務で重要なのか |
コミュニケーション能力 | 挨拶、案内、報告・連絡・相談、チーム連携 | 利用者対応や緊急時の連携を円滑にし、信頼関係を構築するため。 |
体力・自己管理能力 | 長時間の立哨・巡回に耐える体力、体調管理 | 不規則な勤務体系の中で、常に安定したパフォーマンスを維持するため。 |
責任感・誠実さ | ルール遵守、真摯な勤務態度、使命感 | 人々の生命と財産を守るという、警備員の根幹をなす使命を全うするため。 |
学習意欲・向上心 | 研修への積極的な参加、警備業務検定などの資格取得 | 専門性を高め、より質の高い警備サービスを提供し、キャリアアップするため。 |
このように、警備員の仕事は多角的な能力の組み合わせによって成り立っています。テトリスが得意でなくても、他のスキルに自信があったり、これから身につけたいという意欲があったりすれば、優秀な警備員を目指すことは十分に可能です。
5. まとめ
本記事では、「テトリス上手は警備上手」という説について、5つの共通点を挙げながら現役警備員の視点で解説しました。結論として、この説は決して単なる冗談ではなく、多くの点で的を射ていると言えます。
テトリスで求められる「空間認識能力」「予測能力」「迅速な判断力」「持続的な集中力」「冷静な精神力」は、どれも警備の現場で不可欠なスキルです。これらの能力は、施設警備での異常察知、交通誘導での事故防止、雑踏警備での安全確保など、日々の業務に直結し、人々の安全を守るための土台となります。
もちろん、テトリスが苦手だからといって警備員に向いていないわけではありません。誠実さやコミュニケーション能力といった、他の重要な資質も求められます。しかし、もしあなたがテトリスに自信があるなら、その能力は警備の仕事で大きな強みとなる可能性があります。この記事をきっかけに、警備という仕事の奥深さに興味を持っていただければ幸いです。



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