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【実体験】民家の鉢植えを破壊!警備員が大失敗した話

  • sinsirokeibi
  • 2025年8月15日
  • 読了時間: 5分

筆者が警備員になりたての頃、電気通信の工事に付き添う警備の仕事がありました。


家々をまわり、インターネット回線を引いていく作業の警備です。



まだ経験も浅く、作業の工程を全て分かっているわけではなかったため、「足を引っ張らないように…!」と必死な気持ちで取り組んでいました。



あるお宅に伺った時の話です。


車のすれ違いが難しい、狭い通路を挟むように、一軒家と集合住宅がありました。


今回のお客様は集合住宅の方に住む方でした。



私は会社の軽ワゴンを運転し、作業車についていきます。


作業車は、通路の先にある電柱を目指して進んでいきますが、途中で道がぐっと狭くなり、どうやっても通れそうにありません。


そこで作業車はバックすることにしました。


というわけで後ろにいる私も、慌ててバックをすることに。


ひとまず、少し下がったところにある、集合住宅のスペースに停めることにしました。



しかし、ここで問題がありました。



初めてくる場所、乗り慣れていない会社の軽ワゴン、狭い通路、そして「足を引っ張らないように…!」という気持ちが生む焦り。



ハンドルを切りながら、後ろの方ばかりに気をとられていると、車の左側から気に鳴る音が…。


「…どん!」


(しまったー!!)


集合住宅に入る前に、向かいの民家にある鉢植えと車を接触させてしまいました。



私はすぐに車を戻し、鉢植えの確認。



そこには無残に倒れた鉢が2つ、3つ…。



すぐに作業員さんに報告し、持ち主の家のインターホンを押します。



が、ご不在でした。



作業員さんは、「作業の方はこっちでなんとかするから、まずは鉢植えの方の対応をして」と。



できる限りの原状復帰を試みましたが、鉢植えは一部破損しており、どうしようもできませんでした。


会社へも報告をし、持ち主の方が帰ってくるまでの間、ひとまず警備の仕事をすることにしました。



工事は1時間ほどで終わりましたが、その間に持ち主の方は戻ってこず。


次の現場へ移る時間になりました。



私は作業員さんに一言伝えます。


「置き手紙を書いてから、現場に向かいます」



車から手帳を出し、事の経緯と謝罪の言葉、会社名、自分の名前と連絡先を書き、そのページだけ切り離してポストに投函しました。



(本当に申し訳ないことをしてしまったな…)


そう思いながら次の現場に向かう準備をした、まさにその時。



そのお宅のご主人が帰って来られました。



ご主人は車を駐車場に止めると、すぐに異変に気づいた様子です。


ご主人のあとに続き、奥様やお孫様を乗せたもう一台の車もやってきました。


私はすぐにご主人のもとに向かい、謝罪の言葉を申し上げました。


「本当にすみませんでした!」


「いやいや、"すみません"じゃすまないよ。どうするのこれ?」


ご主人はかなりご立腹のご様子。



「せっかく育ててきたのに。これじゃもう駄目だわ。どうするの?」


「本当に申し訳ありませんでした」


「あんた、このままどこか行こうとしてたよね。こんなことされたら、自分だったらどう思うの?」


「本当にすみません。次の現場があるため、連絡先を書いたものをポストに入れさせていただきました。本当に申し訳ないのですが、もしお時間をいただけるなら、もう一度この後伺ってもよろしいでしょうか」



ご主人には大変申し訳なく思う一方、現場は次のお宅に移行中。


作業員さんたちに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。



ご主人の許可をいただき、私は一度その場を離れ、次の現場の警備をしました。



気持ちは全く落ち着きません。


この後もう一度ご主人のお宅に伺った際、どんな言葉を出そうか、頭の中でずっと考えていました。



1時間くらいで現場の作業は終了しました。


夕方16時頃でしたが、これにてこの日の仕事が終了しました。


作業員さんたちにもう一度お詫びし、そのままもう一度ご主人のお宅に向かいました。



私は意を決しました。


"とにかく誠心誠意謝る"そして「鉢植えは弁償する」


この2つを伝えようと。



インターホンを鳴らし、どきどきしながら待っていると、ご主人が出てきました。


「先ほどは本当にすみませんでした。また大変お待たせをして申し訳ございません」


重ねてお詫びする私に、ご主人はこうおっしゃいました。



「あぁ、まぁ、もういいよ。分かった。」


「!?」


私の頭の中は「?」でいっぱいでした。


先ほどまでの強い口調とは打って変わって、とても落ち着いた口調でそう言ったのです。



「あんた若いのに、しっかりと自分の会社、自分の名前、連絡先を書いてくれたね。あんたがきちんと対応しようとしたことは伝わったよ。もういいよ。」



ご主人の優しい言葉に、私は泣き出しそうになる気持ちをぐっとこらえ、


「本当にすみませんでした。寛大なお言葉に感謝いたします」ともう一度お詫びし、


ご主人に改めて住所と連絡先を伺い、その場を後にしました。



そして後日、お詫びの手紙と菓子折を送らせていただきました。


ご主人からは「受け取りました。これで全て終わりにします」と連絡をいただき、申し訳ない気持ちと、少しほっとした気持ちになりました。



ご主人へ。あの時は本当にすみませんでした。


そして寛大なご対応、本当にありがとうございました。



私はこの経験から、2つの大切なことを学びました。


①平常心で、落ち着いて行動することの大切さ

 警備の仕事は、日頃からあらゆることを想定して動かないといけません。

 落ち着いて周りを見ることは、初歩中の初歩。これを疎かにしないよう心がけます。


②常に誠意を持って取り組むことの大切さ

 今回、寛大な対応をとっていただいたのは、自分自身の誠意が関係していると思います。

 してしまった過ちはもう取り返しがつきませんが、その後の行動で示せることもまたあるんじゃないかと思います。

 とにかく誠心誠意、相手と向き合うことを大切にしようと思いました。


この経験を糧に、私は今でも警備員を続けています。

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