「安全第一」と言うけれど、いちばん難しいのは“安全の定義”かもしれない
- sinsirokeibi
- 11月7日
- 読了時間: 2分

現場ではよく、「安全第一でいこう」という言葉を耳にします。
工事現場でも、警備の打ち合わせでも、必ずと言っていいほど最初に出てくる言葉です。
けれど時々思うのです。“安全”とは、いったい何を指しているのだろうか。
たとえば交通誘導中。
車を止めることが安全なのか。
それとも、止めすぎずスムーズに流すことが安全なのか。
状況によって答えは変わります。
安全は、誰か一人の基準で決まるものではなく、周囲の動きとの“バランス”の中で成り立つものだと感じます。
「安全第一」という言葉を正しく使うなら、それは**“まず考えるのは安全である”**という意味のはずです。
決して「安全を最優先にすれば何をしてもいい」ということではありません。
現場では、安全を守りながらも作業を進めなければなりません。
「止める」と「動かす」の間にある判断こそが、実は一番難しい部分です。
たとえば、車のドライバーを長く待たせすぎると、イライラして急発進することがあります。
それは別の危険を生みます。
逆に、流しすぎても歩行者が危ない。
つまり、安全は“静止”ではなく“調整”によって保たれるものなのです。
警備員の仕事は、その“調整の現場”に立つことだと思います。
どんなにルールを覚えても、現場ごとに条件は違います。
風の強い日、雨の日、日差しのまぶしい午後――同じ誘導でも安全の形は変わります。
その都度、周囲を見て、相手を見て、最も危険が少ない方法を選ぶ。
それが本当の「安全第一」ではないでしょうか。
「安全」とは、単に事故が起きないことではなく、関わる人全員が安心して動ける状態をつくること。
そう考えると、安全の定義はとても深く、そして人によって少しずつ違うのだと気づきます。
だから私は、毎日現場に立つたびに思います。
「今日の“安全”はどんな形だろう」と。
それを考え続けること自体が、安全を守る第一歩なのかもしれません。



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