「よくしゃべる警備員」が信頼されない理由
- sinsirokeibi
- 2025年12月18日
- 読了時間: 3分

交通誘導警備員が作業員と円滑に仕事を進めるために、コミュニケーションは欠かせません。ただし、「たくさん話すこと」や「愛想よくすること」が、必ずしも良いコミュニケーションとは限らないのが現場の実情です。むしろ大切なのは、順番を間違えないこと。この順番を誤ると、かえって信頼を失ってしまうこともあります。
まず、何よりも重要なのは信頼を得ることです。交通誘導警備員は、現場では「外部の人間」と見られる立場であり、最初から仲間扱いされることはほとんどありません。だからこそ、言葉より先に求められるのが「仕事ができるかどうか」です。
作業員が警備員に期待しているのは、雑談相手でもムードメーカーでもなく、現場の交通誘導をきちんと任せられる存在であることです。車両の流れを止めるべきタイミングで止める。歩行者を安全に通す。合図を迷わず、分かりやすく出す。危険があれば即座に対応する。こうした基本的な誘導を確実に積み重ねることが、最大のコミュニケーションになります。
また、作業員や現場責任者から指示を受けた場合は、忠実に実行することが大切です。「自分はこう思う」「前の現場では違った」と感じることがあっても、まずはその現場のやり方を尊重する。これは警備員としての姿勢そのものです。指示された内容を正確に理解し、その通りに動く。その姿を見て、作業員は「この人に任せても大丈夫だ」と感じるようになります。
次に重要なのが、異変や問題をすぐに伝えることです。交通誘導中には、予定外の出来事が必ず起こります。車両の流れが想定と違う、歩行者が多い、クレームが出そうな状況、危険な行動を取る人がいる――こうした情報を、警備員の判断だけで抱え込まないことが大切です。
「これくらいなら大丈夫だろう」と自己判断してしまうと、事故やトラブルにつながる可能性があります。少しでも気になることがあれば、早めに作業員や責任者に伝える。その一言が、現場全体の安全を守ります。作業員にとっても、「何かあればすぐ報告してくれる警備員」は非常に心強い存在です。
そして最後にくるのが、世間話や雑談です。ここを最初に持ってきてしまうと、関係づくりを間違えることがあります。仕事の中身が伴っていない段階で距離を縮めようとすると、「軽い人」「仕事よりおしゃべり」という印象を持たれてしまうこともあります。
しかし、しっかりと誘導を行い、指示を守り、必要な報告を欠かさない警備員に対しては、自然と声をかけてもらえるようになります。休憩中に天気の話をしたり、ちょっとした雑談を交わしたりするのは、その後で十分です。世間話は信頼関係の“結果”であって、最初の手段ではありません。
交通誘導警備員のコミュニケーションは、「話し上手」である必要はありません。仕事で信頼を積み上げ、必要なことをきちんと伝え、余裕が出てきたら言葉を交わす。この順番を守ることが、現場で長く信頼される警備員になる近道だと感じています。



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