「あの人、ずっと立ってるけど大丈夫?」――警備員の“知られざる一日”
- sinsirokeibi
- 11月14日
- 読了時間: 4分
朝の通勤途中、商業施設や工事現場の前で見かける警備員。「いつも立ってるけど、大丈夫なのかな?」そんな素朴な疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、ある交通誘導警備員の“一日”を時間軸で追いながら、その裏側をのぞいてみましょう。

🕕 6:00 起床 — まずは体調チェックから
朝は早い?現場によっては7時30分集合も珍しくありません。6時に目覚ましを止めたら、まずは体調確認。少しでも「だるい」「熱っぽい」と感じたら、会社に報告するのが鉄則です。無理をして現場に出ると、集中力が落ちて事故の原因にもなります。
軽い朝食をとり、制服に着替えて出発。夏は水筒、冬はカイロと防寒具を忘れずに。
🕖 7:30 出勤・現場到着 — 点呼と打ち合わせ
会社に寄る必要がない場合、現場へ直行。早めに到着し、現場責任者との打ち合わせをします。「今日の作業内容」「車両の出入り」「通行人の動線」「危険箇所」などを確認。工事現場での警備なら、作業車の動きを確認し、警備位置を臨機応変に変えることも。また地図を見たりしながら立ち位置を確認し、合図の取り方も打ち合わせます。ここで気を抜くと、のちのちトラブルのもとになるのです。
※同じ現場で何日も警備をする場合、この工程を簡略化することもあります。
(現場責任者:「今日も昨日と同じ感じで」 警備員:「了解しました」など)
🕗 8:00 警備開始 — “安全の空気”をつくる時間
誘導棒を手に、警備開始。車を止める、歩行者を案内する――それだけのように見えて、実は頭の中では常に“先読み”をしています。
「この車が出たら次の車が入る」「子ども連れが来たからスピードを落とさせよう」状況は毎分変化します。体を動かしながら、同時に周囲の安全をコントロールしているのです。
一見“じっと立っている”ように見えても、実は常に神経を使っている時間でもあります。
現場では、作業員の方が10時に休憩を取ることがしばしばあります。
作業車が引き上げれば、警備員も少し休憩を取ることができます。
🕛 12:00 昼休憩 — 日陰と水分が命
昼休憩は現場や作業内容によって多少変わります。作業車が路上に出ているときは交代制。現場の安全を保つため、2人組なら1人ずつ順番に休みます。炎天下ではまず日陰へ。冷たいお茶とおにぎりでエネルギー補給。
「立ちっぱなしで疲れませんか?」とよく聞かれますが、コツは“力を抜くこと”。膝を軽く曲げ、重心をずらして立つ。長時間立つには、体の使い方が重要なのです。
🕒 13:00 午後の警備 — 気を抜けない帰宅ラッシュ
午後は作業が進み、車両や人の出入りが増えます。特に夕方が近づくと、通行量が一気に増える時間帯。「もう少しで終わり」という油断が一番危険です。
声を出して誘導することで、自分の集中も保ちます。「どうぞお通りください」「お気をつけて」この一言で、現場の印象もぐっと変わるのです。
作業員の方は15時に休憩を取ることが多いです。
警備員のも、時々缶コーヒーなどお裾分けをいただき、疲れた体がリフレッシュできます。
ありがとうございます!
🕕 17:00 警備終了 — 伝票記入と会社へ連絡
現場責任者の「終了合図」を受けて勤務終了。勤務時間などを記載した伝票にサインをもらいます。またこの時に、翌日の勤務内容の確認をしたりします。
勤務を終えたら、会社へも連絡。「本日の業務終了」「異常なし」などを報告します。
🕖 17:30 帰社 — チームワークを確認
伝票を会社に提出します。その際、報告事項があれば詳細を伝えます。「気づいた点」「トラブルの有無」などを正確に伝えることも大事な仕事です。この報告が次の現場改善、会社改善につながることもあります。小さな出来事でも、丁寧に記録するのがプロの習慣です。仲間と「今日もお疲れさま」と声を掛け合う瞬間、一日の緊張がふっとほどけるのです。
🕗 18:00 帰宅 — “何もなかった”一日こそ誇り
家に帰り、制服を脱いでようやく一息。体は少し疲れていても、「今日も事故なく終えた」という達成感があります。
警備の仕事は、目立たないように見えて、“何も起こらない一日をつくる”ことが最大の成果です。その静かな責任感が、街の安全を支えています。
🧩 おわりに
「ずっと立ってて大変そう」と思われるかもしれませんが、警備員の一日は、人と街を守る誇りに満ちています。次に見かけたら、心の中で「お疲れさま」と声をかけてみてください。その一言が、きっとどこかで励みになっているはずです。



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