定番の京都か、秘境の離島か。日本で最も観光客の多い場所、少ない場所を旅のプロが厳選。
- sinsirokeibi
- 10月13日
- 読了時間: 9分
日本の観光客数はアクセスの良さと知名度に大きく左右されます。この記事では統計に基づく人気観光地ランキングと、旅のプロが選ぶ静かな秘境を徹底解説。定番の京都から穴場の離島まで、それぞれの魅力と理由を知り、次の旅行計画の参考にしてください。

1. 【多い場所編】日本の人気観光地トップはどこ?
日本国内の旅行先を選ぶとき、多くの人がまず思い浮かべるのは、やはり知名度の高い人気の観光地ではないでしょうか。多くの人々を惹きつける場所には、それだけの確かな魅力と理由があります。まずは最新の公的なデータをもとに、日本で最も多くの観光客が訪れている場所はどこなのか、その実態に迫ってみましょう。
1.1 観光庁の統計で見る都道府県別訪問者数
観光庁が発表している「宿泊旅行統計調査」を見ると、どの都道府県に多くの旅行者が訪れているかが一目瞭然です。特に、外国人観光客を含めた延べ宿泊者数では、特定の都府県に人気が集中している傾向が見られます。以下は2023年の年間データに基づく上位5都府県です。
順位 | 都道府県 | 延べ宿泊者数(概算) | 特徴 |
1位 | 東京都 | 約6,500万人泊 | 国内外から圧倒的な訪問者数。ビジネス・観光ともに日本の中心。 |
2位 | 大阪府 | 約3,900万人泊 | 西日本の玄関口。食文化とエンターテイメントが人気。 |
3位 | 北海道 | 約3,500万人泊 | 雄大な自然と四季折々の景観、グルメが魅力。 |
4位 | 京都府 | 約3,100万人泊 | 日本の歴史と伝統文化を体験できる世界的な観光都市。 |
5位 | 福岡県 | 約2,100万人泊 | アジアからのアクセスが良く、グルメとショッピングが充実。 |
この結果からも分かるように、やはり東京、大阪、京都といった大都市圏や、北海道のような広大な観光資源を持つ地域が上位を占めています。これらの場所は、日本人だけでなく、海外からの旅行者にとっても定番のデスティネーションとなっているのです。
1.2 なぜ観光客が多いのか 3つの共通点
多くの観光客が訪れる場所には、いくつかの明確な共通点が存在します。なぜこれらの地域は、これほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。その理由を3つのポイントに絞って解説します。
1.2.1 交通のハブでありアクセスが容易
人気観光地は、例外なく交通の便が非常に優れています。東京には成田空港と羽田空港、大阪には関西国際空港があり、世界中から多くの国際線が乗り入れています。また、新幹線の主要駅が設置されており、国内のどこからでもスムーズに移動することが可能です。国内外からのアクセスが良いことは、多くの観光客を呼び込むための絶対条件であり、旅行計画の立てやすさに直結しています。
1.2.2 世界的に有名な観光スポットの存在
それぞれの地域には、誰もが知る象徴的な観光スポットがあります。例えば、京都の清水寺や金閣寺、東京の浅草寺や渋谷スクランブル交差点、大阪の道頓堀などは、テレビや雑誌、SNSで頻繁に紹介され、多くの人が「一度は訪れたい」と憧れる場所です。旅の目的となる強力なアイコンの存在が、旅行先として選ばれる大きな要因となっています。
1.2.3 宿泊施設や飲食店の充実
旅行者を受け入れるためのインフラが整備されていることも、人気観光地の重要な要素です。ラグジュアリーホテルから手頃なビジネスホテル、個性的なゲストハウスまで、予算や目的に応じて多様な宿泊施設から選ぶことができます。さらに、ご当地グルメを味わえる名店や話題のカフェ、レストランが豊富に揃っているため、食の楽しみも尽きません。旅の満足度を大きく左右する「泊まる」「食べる」という体験が充実していることが、リピーターを生み、高い人気を維持する秘訣なのです。
2. 【少ない場所編】旅の上級者が目指す日本の秘境
多くの観光客で賑わう有名観光地も魅力的ですが、旅の経験を重ねるうちに「まだ誰も知らないような場所へ行きたい」という気持ちが芽生える方も少なくありません。ここでは、人混みを避け、静かで特別な時間を過ごしたいと考える旅の上級者に向けて、日本の隠れた魅力を持つ秘境エリアに焦点を当てます。
2.1 あえて「観光客が少ない場所」を選ぶ理由
なぜ旅慣れた人々は、あえて観光客の少ない場所を目指すのでしょうか。その理由は、単に混雑を避けたいというだけではありません。そこには、旅の本質的な喜びが隠されています。
心からの静寂とリラックス:喧騒から離れ、風の音や鳥の声だけが聞こえる環境に身を置くことで、日常のストレスから解放され、心からリラックスできます。
手つかずの自然との一体感:観光地化されていない場所には、ありのままの自然が残されています。日本の原風景ともいえる美しい景色を独り占めできる贅沢は、何物にも代えがたい体験です。
地域文化との深い触れ合い:観光客が少ないエリアほど、地元の人々との距離が近くなります。偶然立ち寄った食堂での会話や、地元の人だけが知る情報の共有など、温かい交流が生まれやすくなります。
自分だけの発見の喜び:ガイドブックに載っていない道を歩き、自分だけの絶景スポットを見つける。そのプロセス自体が旅の醍醐味となり、誰かの真似ではない、オリジナルの旅を創り上げる満足感を得られます。
2.2 プロが実践する穴場スポットの見つけ方
魅力的な穴場スポットは、偶然見つかることもありますが、いくつかのコツを知っておくことで、意図的に探し出すことが可能です。ここでは旅のプロが実践している具体的な方法を2つご紹介します。
2.2.1 公共交通機関でのアクセスが難しい場所を狙う
多くの観光客は、駅やバス停から徒歩圏内の便利な場所を訪れます。裏を返せば、鉄道やバス路線から外れたエリアには、隠れた名所が眠っている可能性が高いということです。例えば、半島の先端、山深い集落、公共交通機関が通っていない離島などが狙い目です。こうした場所へはレンタカーやカーシェアを利用することで、行動範囲が一気に広がり、思いがけない風景に出会うチャンスが増えます。
2.2.2 隣接する有名観光地の影に隠れたエリアを探す
多くの人が特定の有名観光地に集中する傾向があります。そのすぐ隣の市町村やエリアに目を向けてみると、同じように美しい自然や文化があるにもかかわらず、驚くほど観光客が少ないことがあります。例えば、超有名観光地の「京都」の隣にある「滋賀」の湖東エリアや、「箱根」の賑わいから少し離れた「南足柄」の山間部などです。地図を広げて、目的地として有名な地名の「周辺」に意識を向けるだけで、新たな旅の候補地が見つかるはずです。
2.3 厳選 日本の静かなる絶景スポット
日本全国には、まだ広く知られていないものの、息をのむほど美しい景色が数多く存在します。ここでは、旅のプロが厳選した、静かにその魅力を堪能できる絶景スポットをエリア別にご紹介します。
エリア | 代表的なスポット | 魅力・特徴 |
山陰地方 | 国賀海岸(島根県隠岐諸島)、浦富海岸(鳥取県) | 日本海の荒波が創り出した断崖絶壁や奇岩が連なる景勝地。特に夕暮れ時に空と海が茜色に染まる光景は圧巻で、その雄大な自然を前にすると、日常の悩みが小さく感じられます。遊覧船から眺める景色も格別です。 |
四国地方 | 仁淀川(高知県)、祖谷渓(徳島県) | 「仁淀ブルー」と称される奇跡的な透明度を誇る清流や、日本三大秘境の一つに数えられる深いV字谷の景観が広がります。カヌーで川面を進んだり、かずら橋を渡ったりと、スリルと感動に満ちた体験が待っています。 |
東北地方 | 蔵王の御釜(山形県・宮城県)、五色沼湖沼群(福島県) | 蔵王連峰に佇むエメラルドグリーンの火口湖「御釜」や、磐梯山の噴火によって生まれた大小様々な湖沼群。太陽の光や見る角度によって沼の色が変化する様子は非常に神秘的で、静かな探勝路を歩きながらその美しさを堪能できます。 |
3. あなたの旅のスタイルはどっち?目的別おすすめの場所
ここまで観光客が多い場所と少ない場所、それぞれの魅力と特徴をご紹介してきました。では、あなたはどちらの旅に惹かれるでしょうか。ここでは、旅の目的やスタイルに合わせて、どちらのタイプの場所がより楽しめるかをご提案します。
3.1 アクティブに多くのスポットを巡りたいあなたへ
限られた時間の中で、グルメ、ショッピング、観光名所巡りなど、できるだけ多くの体験をしたいというアクティブな方。そんなあなたには、交通網が発達し、見どころが密集している「観光客の多い場所」が断然おすすめです。公共交通機関を乗り継ぐだけで次々と目的地に移動でき、夜遅くまで楽しめる飲食店や施設も充実しています。効率的に日本の魅力を満喫できるでしょう。
おすすめエリア | 楽しみ方の例 |
首都圏(東京・横浜など) | 最新のトレンド発信地でのショッピング、世界各国のグルメ探訪、数多くの美術館や博物館巡り。 |
京阪神(京都・大阪・神戸) | 電車で1時間以内に移動できる3都市周遊。古都の寺社仏閣、食い倒れの街、港町の異国情緒を一度に体験。 |
福岡 | 「コンパクトシティ」として知られ、空港から市街地までが近い。屋台での食べ歩きや、少し足を延ばして糸島などの自然を満喫。 |
3.2 一つの場所に滞在してのんびりしたいあなたへ
日々の喧騒から離れ、特定の場所に腰を据えて、その土地の自然や文化に深く浸りたいという方。そんなあなたには、豊かな自然に囲まれ、穏やかな時間が流れる「観光客の少ない場所」がぴったりです。移動に時間をかけるのではなく、一つの宿を拠点に周辺を散策したり、温泉で心身を癒したり、ただ美しい景色を眺めて過ごしたり。そんな贅沢な時間の使い方ができます。
おすすめエリア | 楽しみ方の例 |
山陰地方(島根・鳥取) | 出雲大社や足立美術館などをゆったりと巡る。宍道湖に沈む夕日を眺めながら、静かな時間を過ごす。 |
四国の山間部(徳島・高知) | 日本三大秘境の一つ、祖谷地方の自然に圧倒される。清流・四万十川のほとりで、川のせせらぎを聞きながら何もしない贅沢を味わう。 |
東北地方の湖沼地帯(青森・秋田) | 十和田湖や田沢湖の神秘的な湖畔に滞在。奥入瀬渓流の美しい流れに沿って森林浴を楽しみ、心身ともにリフレッシュする。 |
4. まとめ
交通の便が良い京都のような定番観光地も、静かな時間を過ごせる山陰のような穴場も、それぞれに魅力があります。賑わいを求めるか、静寂を愛でるか。あなたの旅の目的に合わせて、次の旅行先を選んでみてはいかがでしょうか。



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