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その一言で出身地が分かる?――面白方言特集②

  • sinsirokeibi
  • 1月28日
  • 読了時間: 3分

方言の面白いところは、「誰もが知っている定番」だけではありません。むしろ本領を発揮するのは、日常のごく普通の行動や感覚を表す言葉です。

本人にとっては標準語のつもり。でも他地域の人には、まったく通じない。今回は、そんな“少しマニアックだけど破壊力のある方言”を紹介します。


「からう」――関西・中国・四国の一部

「それ、からっといて」この一言で、関西〜中国・四国地方出身だと察する人もいます。

「からう」とは、荷物を背負う・肩にかけるという意味です。

ランドセルを背負う。リュックを背負う。これらが「からう」になります。

標準語ではほぼ使われないため、「辛い?空っぽ?」と聞き返されることもしばしば。

子どもの頃、「ちゃんとからって行きなさい」と言われて育った人ほど、無意識に使ってしまう言葉です。


「いらう」――中国・九州地方

「それ、いらわんで」この表現が出たら、中国地方や九州出身の可能性が高めです。

「いらう」は、触る・いじるという意味。

「勝手に触らないで」というニュアンスで、日常的に使われます。

標準語話者にとっては、「要る?要らない?」と混乱しやすい言葉です。

感情がこもりやすい言葉なので、注意するときにポロッと出やすく、その瞬間に出身地が露呈します。


「せからしい」――九州(特に福岡)

「この音、せからしいなあ」これは九州、特に福岡周辺の代表的な方言です。

意味は、うるさい・わずらわしい・落ち着かない

単なる「音が大きい」だけでなく、気持ちが急かされる感じ、神経に触る感じまで含みます。

標準語にぴったり当てはまる言葉がなく、説明しようとすると長くなるのも特徴です。

この言葉が自然に出る人は、ほぼ確実に九州育ちです。


「こわい」――北海道・東北

「この椅子、こわい」これを聞いて「怖い?」と思ったら、まだ慣れていません。

北海道や東北地方では、「こわい」=疲れる・体がだるいという意味で使われます。

長時間立ちっぱなしの後などに、「今日は足がこわい」という使い方をします。

感情ではなく、身体感覚を表す言葉。この使い方が出ると、北の出身だと一発で分かります。


「ものもらい」の別名――地域で割れる目のトラブル

最後は言葉そのものより、呼び方の違いです。

目にできる「ものもらい」。これが地域によって、驚くほど違います。

・関西:ものもらい・関東:ものもらい/めばちこ(混在)・中国・四国:めばちこ・九州:めいぼ・北海道:めばちこ

「めいぼ」と言った瞬間、「あ、九州ですね?」と言われる確率はかなり高いです。

医療用語では「麦粒腫」ですが、この言葉を日常で使う人はほぼいません。

地域の生活言語が、そのまま残っている好例です。


方言は「日常語」ほどバレやすい

今回紹介した言葉に共通するのは、怒鳴る言葉でも、感情的な言葉でもない、生活に溶け込んだ言葉だという点です。

だからこそ、気を抜いたとき考え事をしているとき自然な会話の流れの中でつい出てしまう。

そして出た瞬間、「あ、今の言い方…」と気づかれてしまう。


マニアックな方言ほど、会話が盛り上がる

定番方言は「知ってる知ってる」で終わりますが、少しマニアックな方言は、説明が必要になります。

その説明の時間こそが、会話のタネです。

「え、どういう意味?」「それ、初めて聞いた」「うちの地域ではこう言う」

こうして、自然に雑談が広がっていきます。


その一言は、育った環境の証拠

方言は、無理に消すものではありません。むしろ、どんな場所でどんな日常を過ごしてきたかを静かに教えてくれるサインです。

もし、思わず方言が出てしまっても、それは失敗ではありません。話の入口です。

次に聞き慣れない言葉を耳にしたら、ぜひ聞いてみてください。

「それ、どこで使う言葉ですか?」

きっと、地元の話が一つ、転がり出てきます。

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