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【警備部長かく語りき④】戦争はまだ、生きている

  • sinsirokeibi
  • 8月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:9月5日

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どうも「警備部長」です。


8月といえば、終戦記念日です。


私といえば、高度経済成長期にすくすくと育ち、バブリィな青春期を過ごした世代。


戦争なんて無縁だと思っていたしだい。


それが覆されたのが、現場でして…



今回のお話。


年配のAさんと交通誘導の現場で組むことになりました。


Aさんは戦中派でしたので、地元の兵隊さんの出陣式がいかに立派だったか、あいさつするように低空飛行する戦闘機を見て感涙し、少年の自分もどんなに誇らしかったかを、毎回私に語ってくれるのです。


語り終わると、おもむろに買い物袋からヤクルトを取り出し、私にくれるのです。


何だか申し訳ないような気が…でも頂戴しました。  


Aさん、ありがとうございました。


これがAさんのルーティンで、他の警備員仲間にもそうしていました。



また別の現場では、こんなこともありました。


草刈りなんですが、草刈り機だけでは充分ではないので、手取りの作業をするグループの方がお見えでした。


それが年配の女性の方々なのですが、侮ることなかれ。


仕事はプロでした。速いの何の!丁寧ですし。


私のほうがだいぶ若かったのですが、かなわない。


この作業班と警備員はトラックにのせてもらい、あちこち街の中を移動するのです。


ある場所に降りたとき、手取りのおばあちゃんが言ったのです。


「ここ知っている…」


「確か、B29が飛んで来たとき、逃げてきたところ」


何ですと…!衝撃の発言です。


私、心がぶっ飛びました。


戦争はまだ生きている。

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