【警備部長かくかたりき⑩】Aさんの衝撃の一言と、オペさんのカウンター
- sinsirokeibi
- 9月14日
- 読了時間: 3分

どうも「警備部長」です。
今回のお話は「Aさんの衝撃の一言と、オペさんのカウンター」
以前記事にも書いた「戦時中の話を毎回してくれて、ヤクルトまで配ってくれる」Aさんと、鬼軍曹のKさんと3人で組んだ時のことです。
大がかりな舗装工事で、交代要員を含めた3名です。
住宅街での工事ですので、民家の出入り、朝夕の通勤ラッシュ・・・なかなか気をつかいます。
当然、片交です。
昼休みも早めに切り上げて、車を止めたり出したり、歩行者・自転車に注意を払い、一日、緊張を強いられる現場でした。
舗装現場ではダイナミックに作業車が動き回ります。
まずカッター入れから始まりまして、既存のアスファルト道路を切断します。
独特の甲高いような音がします・・・。
カッター部分の先端にはダイヤモンドがついているそうです。
非常にキレキレで危険・・・!
警備員必須です。
で、その機械をじっと見つめる4つの目。
ご近所さんの子供たちが、目をキラキラさせながらだんだん近づいてくるではありませんか。
ちょうどその時は機械が動いていなかったので、私が子供たちに注意しにいきました。
「危ないから来たらだめだよ」
子供たちは少し遠巻きになりながらも、機械を物珍しそうに見つめています。
私が視線を外すと、又じわじわと近づく。
「危ないからお家で遊んでなさい」
→ 子供たち離れる → 私、目線を外す → 子供たち近づく ・・・ →
警備員と子供たちの攻防が始まりました。
(これは厳しく言わないと・・・)
「この機械はあんた達の腕をスッパリと切ってしまうよ。」
「足も切られて、なくなってしまうよ。」
「血がいっぱい出て、ものすごく痛いよ。」
「泣いても、元のように歩いたり、遊んだりできなくなるんだ。」
とまあ、なるべくグロい表現で説教しました。
子供たちは納得したのか、それ以降は来ませんでした。
作業員さんから 「あっがとうさまー」と礼を言われました。
・・・作業員さんも困っていたのですね。
工事の中盤戦は、道路の基礎を作る路盤作りです。
10tダンプ、バックホウ、グレイダー、ローラーなどが活躍。
でかい、とにかくでかい・・・!
警備員始めてまだ数ヶ月でしょうか。
重機が珍しい。
(これはどう動くのだろう・・・)
興味津々です。
ここでバックホウが旋回するのですが、住宅街です。
電線が邪魔になります。
知らずに旋回して電線を切断してしまうと、当然停電です。
住民の方々からクレームが・・・
そして電気屋さんを呼んで復旧作業を・・・
余計な仕事、増やしたくありません。
工期も迫っております。
そこでバックホウのオペさんが私とKさんに言いました。
「昼休みなしで旋回見てくれんかー。」
「ほれ、この伊賀もち食ってくれー。」
「はい、喜んで。」
伊賀もち、むしゃむしゃ。
おいしいです。季節感も味わえます。
バケットが電線をひっかけないように、合図をだします。
当然、片交をしながら。
それまでも私とKさんで、片交ビシバシとやっているのをオペさんは見ていたのでしょう。
それで私とKさんを指名したのでしょう。
一段落したところで、警備員Aさんがオペさんに言いました。
「わしも呼んでくれんかね・・・話し相手になるから。」
衝撃のセリフ・・・
オペさんの返事がふるっていました。
「いや、わしが欲しいのは腕のいい警備員だ。」



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