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【完全解説】十二支の由来と面白いエピソード!なぜ猫はいない?その理由も紹介

  • sinsirokeibi
  • 11月19日
  • 読了時間: 14分
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十二支の由来には、動物たちの面白いエピソードが満載です。この記事では、有名な神様のレース物語から、各動物の順番が決まった理由までを詳しく解説します。多くの人が気になる「なぜ猫がいないのか」の答えは、ネズミに騙されたため。十二支にまつわる時間や方角などの豆知識もわかります。


1. 十二支とは そもそも何を指す言葉か

「十二支(じゅうにし)」と聞くと、多くの人が子(ねずみ)から亥(いのしし)までの12種類の動物を思い浮かべるでしょう。年賀状のデザインや自分の生まれ年を表すものとして、私たちの生活に深く根付いています。しかし、本来の十二支は単に動物を指す言葉ではありませんでした。

もともと十二支は、古代中国で暦や時間、方角などを分かりやすく示すために作られた12の記号(符号)でした。これに、人々が覚えやすいように身近な動物を当てはめたのが、現在私たちが知る十二支の姿なのです。この章では、混同されがちな「干支(えと)」との違いや、十二支が持つ本来の意味について詳しく解説します。


1.1 「十二支」と「十干」そして「干支」の違い

日常生活で「今年の干支は何?」と聞かれると、多くの人が「うさぎ年です」のように動物だけで答えますが、これは厳密には少し違います。ここで関係するのが「十干(じっかん)」と「干支(えと)」という言葉です。

これら3つの言葉の意味と関係性は、以下の表で整理すると分かりやすくなります。

名称

内容

十二支(じゅうにし)

子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類。時間や方角、順序を表す記号。

十干(じっかん)

甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類。こちらも順序を表す記号。

干支(えと)

十干と十二支を組み合わせたもの。「甲子(きのえね)」から始まり「癸亥(みずのとい)」まで、全部で60種類あり、60年で一巡します。還暦のお祝いは、この干支が60年かけて一巡し、生まれた年の干支に還ることに由来します。

つまり、「干支」とは「十干」と「十二支」を組み合わせた暦の考え方そのものを指す言葉なのです。2024年を例にとると、正しい干支は「辰(たつ)」だけでなく、「甲辰(きのえたつ)」となります。


1.2 十二支の動物一覧と本来の漢字

現在私たちが使っている十二支の漢字は、動物が当てはめられた際に使われるようになったものです。もともとは、植物が種から芽吹き、成長していく過程を表す漢字が使われていたという説が有力です。

ここでは、一般的に知られる動物と、その順番、本来の漢字(字源)が持つ意味を一覧でご紹介します。

順番

十二支

読み方

動物

本来の漢字と意味の説

1

鼠(ねずみ)

「孳」:種の中に新しい生命がきざし始める状態

2

うし

牛(うし)

「紐」:芽が種から出ようとして曲がっている状態

3

とら

虎(とら)

「演」:春が来て草木が伸び始める状態

4

兎(うさぎ)

「冒」:草木が地面を覆い茂る状態

5

たつ

龍(たつ)

「振」:植物の形が整った状態

6

蛇(へび)

「起」:草木の成長が頂点に達した状態

7

うま

馬(うま)

「忤」:成長が終わり、衰えを見せ始める状態

8

ひつじ

羊(ひつじ)

「味」:果実が熟して滋味が生じた状態

9

さる

猿(さる)

「伸」:果実が成熟し、固まっていく状態

10

とり

鶏(とり)

「酉」:果実が完全に熟しきった状態

11

いぬ

犬(いぬ)

「滅」:草木が枯れていく状態

12

猪(いのしし)

「核」:生命力が種の中に閉じ込められた状態

このように、十二支は単なる動物占いではなく、生命の循環や自然のサイクルを表す深い意味を持っていたのです。この基本的な知識を知ることで、次章以降で解説する十二支の由来やエピソードをより一層楽しむことができるでしょう。


2. 十二支の由来となった有名なエピソード 神様のレース物語

十二支の動物とその順番がどのように決まったのか、その由来として最も広く知られているのが「神様のレース」という物語です。これは、動物たちが神様の御殿を目指して競走し、ゴールした順番で十二支が決まったという、子どもから大人まで楽しめるエピソードです。


2.1 物語のあらすじ 神様から動物たちへのおふれ

昔々、ある年の暮れのこと。神様が地上の動物たちに、こんなおふれを出しました。

「新しい年の元旦の朝、私の御殿へ新年の挨拶に来なさい。一番早く到着したものから十二番目までのものを、一年ずつその年の大将としよう

このおふれを聞いた動物たちは、自分が一番になろうと大張り切り。我こそは十二支の仲間入りをしようと、元旦のレースに向けて準備を始めました。これが、十二支の起源となる物語の始まりです。


2.2 ゴール一番乗りは誰? レースの結末

元旦の朝、動物たちは一斉に神様の御殿を目指して出発しました。足の速さに自信のある動物、力の強い動物、知恵を働かせる動物など、それぞれの方法でゴールを目指します。

中でも、歩みの遅い牛は誰よりも早く夜明け前に出発しました。その牛の背中に賢いネズミがこっそり乗り込み、楽をして御殿の門前までやってきます。そして、牛がゴールしようとしたその瞬間、ネズミがぴょんと飛び降りて一番乗りを果たしました。

その後、続々と動物たちがゴールし、到着した順番で十二支の動物が決まりました。その結果は以下の通りです。

順位

動物

十二支

1番

ネズミ

子(ね)

2番

ウシ

丑(うし)

3番

トラ

寅(とら)

4番

ウサギ

卯(う)

5番

タツ(龍)

辰(たつ)

6番

ヘビ

巳(み)

7番

ウマ

午(うま)

8番

ヒツジ

未(ひつじ)

9番

サル

申(さる)

10番

ニワトリ

酉(とり)

11番

イヌ

戌(いぬ)

12番

イノシシ

亥(い)

こうして、神様の御殿に到着した12種類の動物たちが、現在私たちが知る十二支として暦や文化の中に根付いていったのです。


3. 有名なエピソード なぜ十二支に猫がいないのかその理由

十二支の動物たちを思い浮かべたとき、「どうして身近な猫がいないのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。実は、この疑問に答える有名な物語が存在します。猫が十二支のメンバーから外れてしまった理由には、いくつかの面白いエピソードが語り継がれています。ここでは、その中でも特に知られている説を2つご紹介します。


3.1 ネズミに騙されたという最も有名な由来

猫が十二支に入れなかった理由として、最も広く知られているのが「ネズミに騙された」というお話です。このエピソードは、なぜ猫がネズミを追いかけるようになったのか、その起源を語る民話としても親しまれています。

物語のあらすじはこうです。神様が動物たちに「元日の朝、私のところに新年の挨拶に来なさい。最初に着いた12匹を、その年の大将にしよう」とおふれを出しました。猫はうっかりその集合日を忘れてしまい、友達のネズミに尋ねます。すると、ネズミはわざと一日遅れの日付を猫に教えました

すっかりネズミの嘘を信じ込んだ猫は、翌日、神様の元へ向かいます。しかし、すでに門は固く閉ざされ、十二支のメンバーは決定していました。自分が騙されたことに気づいた猫は激しく怒り、それ以来ネズミを見かけると追いかけるようになった、と言われています。


3.2 お釈迦様が関係する別のエピソード

ネズミに騙された話とは別に、仏教に由来する別の説も存在します。この物語では、神様ではなくお釈迦様が登場します。お釈迦様が亡くなる直前(涅槃に入る際)、すべての動物たちに自分の元へ集まるよう呼びかけました。

多くの動物たちがお釈迦様の元へ駆けつけましたが、猫はそのとき、ネズミを捕まえることに夢中になっていて間に合わなかった、という説です。また、別の説では、お釈迦様の病気を治すための薬を取りに行くネズミを猫が食べてしまったため、十二支に入れてもらえなかったとも言われています。

これらの説は、猫の習性や性格を物語に反映させたものと考えられます。猫が十二支にいない理由には、このように複数の興味深い背景があるのです。


猫が十二支にいない理由の諸説

説の名称

物語の概要

ネズミに騙された説

ネズミに集合日を一日遅れで教えられ、神様の元へ行くのが遅れたため。

お釈迦様の涅槃説

お釈迦様が亡くなる際に、ネズミを追いかけるのに夢中で間に合わなかったため。

プライド説

お釈迦様は放っておいても蘇ることを知っていたため、あえて挨拶に行かなかったという、猫の賢さやプライドの高さを示す説。


4. 十二支の順番の由来 各動物の面白いエピソードを紹介

十二支の順番は、神様が催したレースでゴールした順である、という昔話が最も有名です。それぞれの動物が、どのようにしてその順位になったのでしょうか。動物たちの個性あふれる、面白いエピソードをご紹介します。


4.1 子(ねずみ)牛の背中から賢く一番乗り

体が小さく足も遅いネズミは、どうすれば一番になれるか知恵を絞りました。そして、足は遅いけれど一番早く出発するであろう牛の背中にこっそり乗り込みました。ゴール直前、牛がゴールテープを切る寸前に背中から飛び降り、見事一番乗りを果たしたのです。このずる賢くも賢いエピソードは、子年が「新たな始まり」や「繁栄」を象徴する由来ともなっています。


4.2 丑(うし)マイペースに進んだが二番手になった理由

自分が歩くのが遅いことを自覚していた牛は、誰よりも早く、まだ暗い夜のうちから出発しました。マイペースに、しかし着実に歩みを進め、ゴールまであと一歩のところまで一番乗りでした。しかし、ゴール寸前で背中に乗せていたネズミに先を越されてしまい、惜しくも二番手となりました。このエピソードは、牛の誠実さや粘り強さを表しています。


4.3 寅(とら)力強い走りでゴール

足の速さに自信があった虎は、夜が明けてから出発しました。持ち前の俊足と力強い走りで他の動物たちを次々と追い抜いていきましたが、一足先にゴールしていた牛とネズミには及ばず、三番目の到着となりました。この力強い姿から、寅は決断力や行動力の象徴とされています。


4.4 卯(うさぎ)得意のジャンプでゴールイン

ウサギは自慢の跳躍力を活かし、軽快な走りでゴールを目指しました。しかし、その道のりの途中で少し休憩するつもりが、つい居眠りをしてしまいます。目が覚めたときには多くの動物に抜かれていましたが、慌てて追い上げて四番目に滑り込みました。


4.5 辰(たつ)なぜ架空の龍が十二支にいるのか

十二支の中で唯一、架空の生き物である龍(辰)。なぜ十二支に選ばれたのでしょうか。その由来には、龍の優しさが関係しています。龍はレースの途中、火事で苦しむ人々の村を見つけ、天から雨を降らせて助けていました。人助けをしていたためにゴールは遅れてしまいましたが、その行いを知った神様が龍の慈悲深さを称え、五番目の干支としたのです。


4.6 巳(み)馬を驚かせた賢いエピソード

体が小さく、走るのが得意ではないヘビは、知恵を使ってレースに挑みました。ゴール近くまで馬のひづめに隠れて進み、ゴール直前で姿を現して馬を驚かせました。馬が恐怖でひるんだその隙に先を越して、見事六番目にゴールしました。目標達成のための策略や探求心を表しています。


4.7 午(うま)油断してヘビに先を越される

馬は力強い走りでゴール目前まで迫っていました。本来であれば、もっと早い順位でゴールできたはずでした。しかし、ゴール直前で足元から突然現れたヘビにひどく驚き、思わず立ち止まってしまいます。その一瞬の隙をつかれてヘビに先を越され、七番目のゴールとなりました。


4.8 未(ひつじ)猿と犬と協力したエピソード

羊は、猿、鶏と一緒にゴールを目指しました。目の前に大きな川がありましたが、三匹で知恵を出し合い、協力してイカダを作り、無事に川を渡りきったのです。仲良くゴールした功績が認められ、羊は八番目となりました。この協力の様子は以下の通りです。

動物

協力した役割

申(さる)

器用に木に登り、イカダの材料となる流木を見つけました。

酉(とり)

皆に声をかけ、イカダを組んで渡ることを提案しました。

未(ひつじ)

穏やかな性格で皆をまとめ、イカダに乗って一緒に進みました。


4.9 申(さる)犬と羊と協力してゴール

猿は、羊・鶏と共に川を渡るために協力しました。持ち前の賢さと器用さでイカダの材料となる木を見つけ、渡る手助けをしたことで、九番目にゴールすることができました。このエピソードは、猿の知恵や器用さの象徴とされています。


4.10 酉(とり)協力の末にゴールしたエピソード

鶏は、羊・猿と一緒に協力してゴールしました。猿が見つけてきた木を使い、「これでイカダを組んで渡ろう」と皆に呼びかけるリーダーシップを発揮しました。三匹で力を合わせた結果、十番目にゴールインすることができました。


4.11 戌(いぬ)猿との喧嘩で遅れた由来

犬は優れた泳ぎで川を渡りましたが、ゴールは十一番目と遅れてしまいました。その理由は、道中で普段から仲の悪い猿と些細なことで喧嘩ばかりしていたため、時間をロスしてしまったからだと言われています。これが「犬猿の仲」の語源になったという説もあります。


4.12 亥(いのしし)猪突猛進でゴール

イノシシは、ゴールに向かって脇目もふらず一直線に走りました。その「猪突猛進」の勢いのあまり、ゴールを通り過ぎてしまい、慌てて戻ってきたため、残念ながら十二番目の最後になってしまったという、少しおっちょこちょいなエピソードが伝えられています。


5. 十二支の由来に関する豆知識

十二支の物語は非常に有名ですが、実は動物たちのレース以外にも、私たちの生活に深く関わる意味が込められています。ここでは、知っていると少し自慢できる十二支の豆知識を2つご紹介します。


5.1 十二支が持つ時間や方角との関係

もともと十二支は、古代中国で時間や方角、年月日を表すために使われていた記号でした。馴染み深い動物たちは、人々が覚えやすいように後から割り当てられたものです。そのため、今でも私たちの生活の中にその名残を見つけることができます。


5.1.1 時間と十二支

1日を12分割し、それぞれの時間帯に十二支を当てはめていました。1つの干支は現代の2時間に相当します。時代劇などで聞く「草木も眠る丑三つ時」という言葉は、この十二支の時間表記が由来です。



十二支と時間の対応表

十二支

読み方

時間帯

23時~1時

うし

1時~3時

とら

3時~5時

5時~7時

たつ

7時~9時

9時~11時

うま

11時~13時

ひつじ

13時~15時

さる

15時~17時

とり

17時~19時

いぬ

19時~21時

21時~23時

正午(午の刻の真ん中)や午前・午後という言葉も、この十二支の時刻表現から生まれたものです。


5.1.2 方角と十二支

十二支は、360度の方角を12分割して表現するためにも使われました。北を「子」とし、そこから時計回りに各動物が配置されています。



十二支と方角の対応表

十二支

読み方

方角

うし

北北東

とら

東北東

たつ

東南東

南南東

うま

ひつじ

南南西

さる

西南西

とり

西

いぬ

西北西

北北西

例えば、不吉な方角とされる「鬼門」は丑と寅の間(北東)を指し、「裏鬼門」は未と申の間(南西)を指します。これも十二支の方角がもとになっています。


5.2 世界各国の十二支とその違い

十二支は日本だけでなく、中国や韓国、ベトナム、タイなどアジアの多くの国々で使われています。しかし、国や文化によって、登場する動物が少しずつ異なっているのは非常に興味深い点です。

その土地の文化や環境に馴染みのある動物に置き換えられているのが特徴です。




世界各国の十二支の違い(一部)

国・地域

日本の十二支

その国の十二支

備考

ベトナム

卯(うさぎ)

ベトナムではうさぎより猫が身近な動物だったためと言われています。

未(ひつじ)

ヤギ

タイ

辰(たつ)

ナーガ(蛇の神)

タイでは伝説の蛇神ナーガが神聖な存在とされています。

チベット

卯(うさぎ)

ベトナムと同様に猫が入っています。

モンゴル

寅(とら)

ヒョウ

モンゴルの自然環境に合わせた動物が選ばれています。

ブルガリア

卯(うさぎ)

アジア圏以外でも、猫が十二支に入っている国があります。

特にベトナムでは「卯」の代わりに「猫」が入っているため、「なぜ十二支に猫がいないのか」という疑問はベトナムでは存在しません。このように、十二支の動物を比べてみると、各国の文化の違いが見えてきて面白い発見があります。


6. まとめ

この記事では、十二支の由来として最も有名な「神様のレース」の物語を詳しく解説しました。動物たちがゴールを目指す競争のエピソードが、現在の十二支の順番を決める元となっています。

多くの人が抱く「なぜ十二支に猫がいないのか?」という疑問の答えは、ネズミに騙されてレースの日を間違えてしまったという説が最も有力です。また、架空の動物である龍(辰)が含まれている理由や、各動物のユニークなエピソードも、十二支の奥深い魅力を物語っています。

十二支は、単に動物を当てはめただけでなく、それぞれの動物の性格や知恵が反映された物語から成り立っています。さらに、古くから時間や方角を示す指標としても使われており、私たちの文化に深く根付いていることがわかります。

本記事で紹介した由来やエピソードを通じて、十二支への理解を深め、年末年始の会話の種などに役立てていただければ幸いです。

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