【あなたはどっち？】インフルエンザにかかりやすい人・かかりにくい人の違いを徹底解説！今日からできる予防法も

寒くなってくると、毎年のように話題に上がる「インフルエンザ」。同じ教室・同じ職場にいても、すぐにうつる人もいれば、なぜか元気なままの人もいます。この”差”はいったいどこから生まれるのか――その秘密をわかりやすく紐解いていきます。

1. インフルエンザにかかりやすい人とかかりにくい人の違いは免疫力と生活習慣

「自分は毎年インフルエンザにかかってしまうのに、周りには一度もかかったことがない人がいる…」そんな疑問を感じたことはありませんか？インフルエンザの流行シーズンになると、体調を崩す人と元気に過ごせる人がはっきりと分かれることがあります。この違いは、単なる運や体質だけが原因ではありません。

結論から言うと、インフルエンザのかかりやすさを左右する最も大きな要因は、ウイルスから体を守る「免疫力」と、その免疫力を支える日々の「生活習慣」にあります。つまり、かかりにくい人は、知らず知らずのうちに免疫力を高く維持し、ウイルスに負けない体づくりができているのです。

具体的に、インフルエンザにかかりやすい人と、かかりにくい人にはどのような違いがあるのでしょうか。以下の表で主なポイントを比較してみましょう。

比較項目	かかりやすい人の特徴	かかりにくい人の特徴
免疫力	ウイルスと戦う力が弱まっている状態。	ウイルスを撃退する力が高い状態を維持している。
生活習慣	睡眠不足、栄養の偏り、ストレス過多など、生活リズムが乱れている。	十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、規則正しい生活を送っている。
感染対策	手洗いやマスク着用が不十分であったり、予防接種を受けていなかったりする。	手洗い・うがい・マスク着用などの基本的な対策を徹底している。

このように、インフルエンザのかかりやすさは、生まれ持った体質以上に、後天的な行動や習慣によって大きく変わってきます。逆に言えば、たとえ今「かかりやすい」と感じていても、意識して生活を見直すことで「かかりにくい」体質へと変えていくことが可能です。

この記事では、まずあなたが「かかりやすい人」の特徴に当てはまるかどうかをチェックし、その上で、なぜそのような違いが生まれるのかを免疫の仕組みから解き明かしていきます。そして最後に、今日からすぐに実践できる具体的な予防法を詳しくご紹介します。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

2. あなたは当てはまる？インフルエンザにかかりやすい人の特徴

冬になると決まってインフルエンザにかかってしまう人、周りが次々と倒れてもなぜか元気な人。その違いはどこにあるのでしょうか。ここでは、インフルエンザにかかりやすい人に共通する特徴を「免疫力」「生活習慣」「感染対策」の3つの観点から詳しく解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、チェックしてみてください。

2.1 免疫力が低下している人

インフルエンザウイルスが体内に侵入しても、発症するかどうかは体の防御システムである「免疫力」の強さが大きく関わっています。免疫力が低下していると、ウイルスを排除できずに増殖を許してしまい、発症に至ります。

2.1.1 乳幼児や高齢者

乳幼児は、まだ免疫システムが十分に発達していません。そのため、ウイルスと戦う力が弱く、感染しやすい傾向にあります。一方、高齢者は加齢に伴って免疫機能が低下する「免疫老化」という現象が起こるため、ウイルスへの抵抗力が弱まります。また、基礎疾患を持っている場合も多く、インフルエンザに感染すると肺炎などを併発し、重症化するリスクが非常に高いため特に注意が必要です。

2.1.2 妊娠中の女性

妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんを体が「異物」と認識して攻撃しないように、一時的に免疫の働きが抑制される傾向にあります。この体の自然な変化により、インフルエンザウイルスをはじめとする病原体への抵抗力が弱まり、感染しやすくなります。妊娠中にインフルエンザにかかると、重症化しやすいことも報告されています。

2.1.3 基礎疾患（持病）がある人

特定の持病がある方は、病気そのものや治療の影響で免疫力が低下していることが多く、インフルエンザにかかりやすく、かつ重症化しやすいハイリスク群とされています。代表的な疾患は以下の通りです。

疾患の分類	具体的な疾患名	リスクが高まる理由
呼吸器系の疾患	慢性閉塞性肺疾患（COPD）、気管支喘息など	ウイルスの影響で症状が悪化しやすく、肺炎を併発するリスクが高い。
心臓の疾患	慢性心不全など	感染による発熱や炎症が心臓に大きな負担をかける。
代謝性の疾患	糖尿病	血糖コントロールが乱れやすく、免疫細胞の働きが低下しがちになる。
腎臓の疾患	慢性腎臓病、透析を受けている方など	免疫機能が全般的に低下しており、感染症に対する抵抗力が弱い。

また、これらの疾患の治療に用いられるステロイド薬や免疫抑制剤などが、免疫力を直接低下させる原因となることもあります。

2.2 生活習慣が乱れている人

自分は健康だと思っていても、日々の何気ない生活習慣が免疫力をじわじわと低下させているかもしれません。特に注意したい3つのポイントを見ていきましょう。

2.2.1 睡眠不足が続いている

睡眠中には、体を修復し、免疫細胞を活性化させる成長ホルモンが分泌されます。しかし、睡眠時間が不足すると、このプロセスが十分に行われません。研究では、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上寝ている人に比べて風邪をひくリスクが4倍以上になるという報告もあります。忙しいからと睡眠を削る生活は、自らウイルスを迎え入れる環境を作っているのと同じです。

2.2.2 栄養バランスが偏った食事をしている

私たちの体や免疫細胞は、食事から摂る栄養素を材料にして作られています。インスタント食品やファストフードに偏った食事、過度なダイエットなどで栄養バランスが崩れると、免疫システムが正常に機能しなくなります。特に、粘膜を保護するビタミンA、免疫細胞の働きを助けるビタミンCやビタミンD、亜鉛などが不足すると、ウイルスへの抵抗力が著しく低下します。

2.2.3 強いストレスを感じている

仕事や人間関係などで過度な精神的ストレスにさらされると、自律神経のバランスが乱れます。すると、ストレスホルモン「コルチゾール」が過剰に分泌され、このコルチゾールが免疫細胞の働きを抑制してしまうことがわかっています。悩み事があって眠れない、常に緊張状態が続いている、といった方は注意が必要です。

2.3 感染対策が不十分な人

いくら免疫力が高くても、大量のウイルスに暴露されれば感染のリスクは高まります。基本的な感染対策を怠っている人は、当然ながらかかりやすいと言えます。

2.3.1 予防接種（ワクチン）を受けていない

インフルエンザワクチンは、感染や発症を完全に防ぐものではありませんが、体内にウイルスの特徴を記憶させ、本格的な侵入に備える最も有効な手段です。ワクチンを接種していない場合、ウイルスが侵入してからゼロの状態で戦いを始めることになるため、発症しやすくなります。また、ワクチンには万が一発症した際の重症化を防ぐという非常に重要な効果も期待できます。

2.3.2 人混みに行く機会が多い

インフルエンザは、感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む「飛沫感染」や、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れる「接触感染」で広がります。満員電車やバス、オフィス、商業施設、イベント会場など、人が密集する場所は、ウイルスに接触する機会が格段に増えるため、感染リスクが非常に高くなります。

3. インフルエンザにかかりにくい人の共通点とは

インフルエンザにかかりやすい人がいる一方で、毎年のように流行シーズンを元気に乗り切る「かかりにくい人」もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。実は、かかりにくい人たちには、日々の暮らしの中に共通する3つの大きな柱があります。それは「高い免疫力の維持」「規則正しい生活習慣」、そして「徹底した感染対策」です。これらは特別なことではなく、意識すれば誰でも実践できることばかりです。ここでは、その具体的な共通点を詳しく見ていきましょう。

3.1 高い免疫力を維持している

インフルエンザにかかりにくい人の最大の特徴は、ウイルスが体内に侵入しても、増殖する前に撃退できる強い防御システム、すなわち「高い免疫力」を維持していることです。私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物と戦う「免疫」という仕組みが備わっています。免疫力が高い状態とは、この免疫細胞たちが常に活発で、パトロール能力や攻撃能力が高い状態を指します。

例えば、平熱が36.5℃前後と比較的高い体温を保っている人は、免疫細胞が働きやすい体内環境にあります。また、免疫細胞の約7割が集中するといわれる腸の環境が整っていることも、免疫力を高く保つ上で非常に重要です。かかりにくい人は、無意識的、あるいは意識的に、こうした免疫システムが最適に機能するような体のコンディションを保っているのです。

3.2 規則正しい生活を送っている

高い免疫力は、日々の規則正しい生活習慣によって支えられています。インフルエンザにかかりにくい人は、「睡眠」「食事」「ストレス管理」という生活の基本が整っている傾向にあります。これらが乱れると自律神経のバランスが崩れ、免疫力の低下に直結するためです。具体的にどのような習慣が身についているのか、下の表で確認してみましょう。

生活習慣のポイント	なぜインフルエンザにかかりにくいのか？
質の高い睡眠	睡眠中に免疫細胞が作られ、活性化します。毎日7時間程度の睡眠時間を確保し、深く眠ることで、体の防御システムが強化・修復されます。
バランスの取れた食事	免疫細胞の材料となるタンパク質や、働きを助けるビタミン・ミネラルを過不足なく摂取しています。特定の食品に偏らず、多様な食材から栄養を摂ることが基本です。
上手なストレス管理	過度なストレスは免疫機能を抑制するホルモンを分泌させます。趣味や運動、リラックスできる時間を持つなど、自分なりの方法でストレスを溜め込まないようにしています。

このように、一つひとつの習慣は些細なことかもしれませんが、日々の積み重ねがウイルスに負けない体づくりの基盤となっています。

3.3 基本的な感染対策を徹底している

どんなに免疫力が高くても、大量のウイルスに暴露されれば感染のリスクは高まります。インフルエンザにかかりにくい人は、体内での防御だけでなく、ウイルスとの接触機会を減らし、体内への侵入を未然に防ぐ「入り口対策」が習慣化しているという共通点があります。

例えば、外出からの帰宅時や食事の前には、石鹸を使って指先や指の間、手首まで丁寧に洗う「正しい手洗い」を欠かしません。また、流行シーズンに人混みへ出かける際は、顔とマスクの間に隙間ができないように「効果的なマスク着用」を徹底しています。さらに、ウイルスの活動を抑えるために、加湿器などを使って室内の湿度を50～60%に保つ工夫も怠りません。

そして、最も効果的な予防策の一つである「インフルエンザワクチン」を毎シーズン接種していることも、かかりにくい人の多くに見られる行動です。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、感染した場合の重症化を防ぐ上で極めて重要な役割を果たします。こうした基本的な対策を「面倒」と思わず、当たり前の習慣として生活に取り入れていることが、大きな違いを生んでいるのです。

4. なぜ違いが生まれるのか 免疫の仕組みから解説

インフルエンザにかかりやすい人とかかりにくい人の違いは、体の中にある「免疫」という精巧な防御システムがどれだけ効率よく機能しているかにかかっています。ここでは、ウイルスとの戦いの最前線で何が起きているのか、免疫の仕組みを紐解きながらその違いが生まれる根本的な理由を解説します。

4.1 ウイルスと戦う体の防御システム

私たちの体には、インフルエンザウイルスのような病原体が侵入してきた際に、段階的に対抗する防御システムが備わっています。この防御システムがスムーズに働くかどうかが、発症の分かれ道となります。

まず第一の壁となるのが、鼻や喉の「粘膜」です。粘膜は粘液で覆われており、侵入してきたウイルスを物理的に捕らえます。そして、粘膜表面にある「線毛」という細かい毛が、捕らえたウイルスを痰などと一緒に体外へ排出しようとします。この粘膜バリアが乾燥などで弱っていると、ウイルスは簡単に体内に侵入してしまいます。

粘膜バリアを突破したウイルスに対して次に働くのが、「自然免疫」です。これは生まれつき体に備わっている仕組みで、マクロファージやNK（ナチュラルキラー）細胞といった免疫細胞が、敵（ウイルス）の種類を問わず、侵入後すぐに攻撃を開始します。この初期対応の速さが、ウイルスの増殖を抑え込み、発症に至るかどうかの重要な鍵を握ります。

自然免疫でも抑えきれなかった場合に発動するのが、より強力な「獲得免疫」です。T細胞やB細胞といったリンパ球が中心となり、侵入してきたウイルスの特徴を記憶し、そのウイルスだけを狙い撃ちする「抗体」を作ります。一度この抗体が作られると、次に同じウイルスが侵入してきた際には、記憶を元に素早く大量の抗体を生産して撃退できます。予防接種（ワクチン）は、この獲得免疫の仕組みを利用したものです。

4.2 腸内環境が免疫力に与える影響

「腸は人体最大の免疫器官」と呼ばれるほど、腸内環境は免疫力と密接な関係にあります。意外に思われるかもしれませんが、全身の免疫細胞の約7割が腸に集中しているのです。

腸内には数百兆個もの腸内細菌が生息しており、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がバランスを取り合っています。このバランスが整っていると、免疫細胞が活性化し、正常に機能します。特に、善玉菌は「短鎖脂肪酸」という物質を作り出し、これが免疫細胞の暴走を防いだり、ウイルスの侵入を防ぐ腸のバリア機能を高めたりする重要な役割を担っています。

しかし、食生活の乱れやストレスなどで腸内環境が悪化し悪玉菌が優勢になると、免疫細胞の働きが鈍くなったり、逆に過剰反応してしまったりと、免疫システム全体のバランスが崩れてしまいます。つまり、腸の状態が、ウイルスと戦うための軍隊（免疫細胞）の質と量を左右するのです。

4.3 体温と免疫細胞の関係

体温もまた、免疫力を左右する非常に重要な要素です。一般的に、体温が1℃下がると免疫力は約30%低下し、逆に体温が1℃上がると免疫力は一時的に最大5〜6倍活性化すると言われています。

体温が高いと血流が促進されます。血液は、栄養や酸素だけでなく、ウイルスがいないかパトロールしている免疫細胞を全身に運ぶ役割も担っています。そのため、血流が良い状態、つまり体温が高い状態だと、免疫細胞がウイルスの侵入を素早く察知し、感染現場へ迅速に駆けつけることができるのです。

さらに、体温の上昇は免疫細胞そのものの働きを活発にします。風邪をひいたときに熱が出るのは、体が意図的に体温を上げて免疫細胞を活性化させ、ウイルスと戦おうとしている証拠なのです。逆に、平熱が低い人や体が冷えやすい人は、免疫細胞の動きが鈍くなりがちで、ウイルスが増殖しやすい体内環境になっている可能性があると言えます。

5. インフルエンザにかかりにくい人になるための具体的な予防法

インフルエンザにかかりやすい人とそうでない人の違いは、日々の過ごし方に隠されています。ここでは、ウイルスを寄せ付けない体を作るための具体的な予防法を「基本的な感染対策」「生活習慣の改善」「ワクチン接種」の3つの側面から詳しく解説します。今日から実践できることばかりですので、ぜひ取り入れてみてください。

5.1 今日から実践できる基本的な感染対策

インフルエンザウイルスの主な感染経路は、咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れる「接触感染」です。これらの感染経路を断つことが、最も基本的かつ効果的な予防策となります。

5.1.1 正しい手洗いとうがいの方法

手洗いは、接触感染を防ぐための基本中の基本です。外出先から帰宅した際や調理・食事の前、トイレの後など、こまめに手を洗いましょう。石鹸やハンドソープを使い、手のひらだけでなく、指先や爪の間、指の間、手首まで30秒以上かけて丁寧に洗うことが重要です。洗い終わったら清潔なタオルやペーパータオルでしっかりと水分を拭き取ります。うがいは、喉の乾燥を防ぎ、付着したウイルスを洗い流す効果が期待できます。特別なうがい薬がなくても、水道水で十分です。

5.1.2 効果的なマスクの着用

マスクは、ウイルスの侵入を完全に防ぐものではありませんが、喉や鼻の粘膜の湿度を保ち、防御機能を高める効果があります。また、無意識に顔を触るのを防ぐことにも繋がります。マスクを着用する際は、鼻と口の両方を確実に覆い、顔との間に隙間ができないようにフィットさせることが大切です。特に、満員電車や人混みへ行く際には、感染リスクを低減させるために着用を推奨します。

5.1.3 室内の湿度を50〜60%に保つ

インフルエンザウイルスは、空気が乾燥していると活発になります。また、空気が乾燥すると喉や鼻の粘膜も乾き、ウイルスの侵入を許しやすくなります。快適で健康的な室内環境を保つために、加湿器などを使って室内の湿度を50〜60%に保つように心がけましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを室内に干したり、観葉植物を置いたりすることでも湿度を上げる助けになります。

5.2 免疫力を高める生活習慣の改善

ウイルスが体内に侵入しても、発症するかどうかは「免疫力」の高さに左右されます。日々の生活習慣を見直し、ウイルスと戦える強い体を作りましょう。

5.2.1 免疫力を上げる食事と栄養素

免疫力を高めるためには、特定の食品だけを食べるのではなく、バランスの取れた食事が不可欠です。特に、免疫細胞の働きをサポートする栄養素を意識的に摂取することが効果的です。

栄養素	主な働き	多く含まれる食品
ビタミンA	喉や鼻の粘膜を強化する	にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバー
ビタミンC	免疫細胞（白血球）の働きを助ける	ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類
ビタミンD	免疫機能を調整する	きのこ類、鮭、さんま、いわし
タンパク質	免疫細胞や抗体の主成分となる	肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
発酵食品	腸内環境を整え、免疫細胞の約7割が集まる腸の働きを助ける	ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ

5.2.2 質の良い睡眠を確保するコツ

睡眠中は、体を修復し、免疫細胞を活性化させるための重要な時間です。睡眠不足は免疫力低下に直結するため、毎日6〜8時間程度の質の良い睡眠を確保することを目指しましょう。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は避け、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、リラックスできる音楽を聴くなど、自分に合った入眠儀式を見つけるのがおすすめです。

5.2.3 適度な運動のすすめ

適度な運動は、血行を促進して体温を上げ、免疫細胞を活性化させる効果があります。ただし、激しすぎる運動はかえって体にストレスを与え、免疫力を低下させる可能性もあるため注意が必要です。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、少し汗ばむ程度の有酸素運動を週に数回、継続的に行うのが理想的です。

5.3 インフルエンザワクチンの重要性と効果

インフルエンザ予防において、ワクチン接種は最も有効な手段の一つです。ワクチンを接種しても感染を100%防げるわけではありませんが、インフルエンザの発症可能性を大幅に低減させ、もし発症してしまった場合でも重症化を防ぐ効果が科学的に証明されています。特に、重症化リスクが高い高齢者、基礎疾患をお持ちの方、妊娠中の方、そして乳幼児は、流行期に入る前の接種が強く推奨されます。ワクチンの効果が十分に現れるまでには接種後約2週間かかるため、例年12月上旬までには接種を終えておくと安心です。

6. まとめ

インフルエンザにかかりやすい人とかかりにくい人の違いは、生まれつきの体質だけでなく、日々の「免疫力」と「生活習慣」に大きく関係していることがお分かりいただけたでしょうか。その根本的な違いは、ウイルスが体内に侵入した際に働く防御システムの強さにあります。

睡眠不足や栄養の偏り、ストレスなどは免疫力を低下させ、インフルエンザにかかりやすい状態を招きます。一方で、規則正しい生活を送り、基本的な感染対策を徹底している人は、免疫力が高く維持され、ウイルスに負けない体を保つことができます。

この記事でご紹介した「正しい手洗い」「十分な睡眠」「バランスの取れた食事」「適度な運動」といった予防法は、今日からすぐに実践できるものばかりです。これらを習慣づけることが、インフルエンザにかかりにくい体質へと変えていくための最も確実な方法です。

また、重症化を防ぐ上で最も効果的な予防策であるワクチン接種も、ご自身と周りの大切な人を守るために非常に重要です。ご自身の生活習慣を見直し、基本的な感染対策と合わせて、ウイルスに負けない体づくりを始め、今年の冬を健康に乗り切りましょう。