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高市政権発足から10か月──功罪をフラットに読み解く

sinsirokeibi
9月5日
読了時間: 5分

2025年10月に誕生した高市早苗政権は、2026年9月で発足から約10か月を迎えます。 憲政史上初の女性首相として注目を集めた政権は、衆院選で歴史的な大勝を収め、強固な政治基盤を背景に「責任ある積極財政」や憲法改正など、大きな政策テーマを掲げてきました。

一方で、外交・財政・国会運営などで課題も指摘されており、政権の評価は一枚岩ではありません。

この記事では、

  • 高市政権の主要政策

  • 10か月で見えた成果

  • 同時に浮かび上がった課題 を、肯定・否定をバランスよく整理し、中立的に評価します。


1. 高市政権の政治基盤──「歴史的圧勝」から始まった10か月

2026年2月の衆院選で、高市自民党は465議席中316議席を獲得し、単独で3分の2を超える議席を確保しました。 これは戦後初の規模であり、政権運営において圧倒的な数的優位を得たことが特徴です。

発足直後の内閣支持率は71%、半年後でも66%を維持し、歴代政権でも稀な高支持率を保っています。

この「強い政治基盤」が、政策の推進力と同時に、後述する課題の一部にもつながっています。


2. 高市政権の主要政策(10か月の動き)

① 責任ある積極財政(経済政策の柱)

高市政権の看板政策は「責任ある積極財政」です。 従来の緊縮路線から転換し、戦略的な財政出動で成長を促し、税収増で財政健全化を図るという考え方です。

  • 122兆円規模の2026年度当初予算

  • 18兆円規模の2025年度補正予算

  • 研究開発・設備投資への支援

  • 複数年度予算の導入構想

など、大規模な財政出動が続いています。

しかし、財政拡張に対しては市場の懸念も強く、円安・金利上昇が進んだ背景には「財政規律への不安」があるとの指摘もあります。


② 食料品の消費税ゼロ構想

食料品の消費税を2年間ゼロにする構想は、国民の関心が高い政策です。 ただし、財源確保が最大の課題で、具体的な制度設計はまだ固まっていません。


③ 防衛力強化・インテリジェンス機能の整備

外交・安全保障では、

  • 防衛費増額

  • 自衛隊の能力強化

  • インテリジェンス機能の強化 が進められています。

イラン情勢の悪化や日中関係の緊張など、国際環境が厳しい中で、政権の対応力が問われています。


④ 憲法改正への布石

衆院で3分の2超の議席を持つため、憲法改正発議の条件を単独で満たしています。 憲法審査会長に古屋圭司氏を起用するなど、体制整備が進んでいます。


3. 高市政権の「功」──評価されるポイント

① 高支持率の維持(政治的安定)

発足から半年以上、支持率66〜72%を維持しており、政治的安定が政策推進の追い風となっています。

高支持率の背景には、

  • 初の女性首相による刷新感

  • クリーンなイメージ

  • 消費税ゼロなど生活者目線の政策 があると分析されています。


② 経済指標の改善(短期的成果)

実質賃金が13か月ぶりにプラスに転じるなど、景況感の改善が見られた時期があります。

株価も「高市トレード」と呼ばれる円安・株高の流れで上昇し、企業業績も堅調でした。


③ 外交舞台での存在感

G7サミットでは、

  • 重要鉱物の共同備蓄構想 を成果文書に盛り込むなど、外交舞台での発信力が評価されています。

首脳外交では、トランプ米大統領との関係構築を重視し、日米関係の安定を優先する姿勢が見られます。


④ 政策の継続性(閣僚再任)

第2次内閣では全閣僚を再任し、政策の継続性と実行スピードを重視しました。 省庁の混乱を避け、短期で成果を出す体制が整えられています。


4. 高市政権の「罪」──課題として指摘されるポイント

① 財政運営への懸念(市場の不安)

積極財政に対して、

  • 金利上昇

  • 円安進行

  • 国債発行年限の短期化 など、市場の不安が強まっています。

海外投資家の長期国債保有が伸びず、財政リスクが意識されている点も課題です。


② 国会運営の混乱・コミュニケーション不足

高市首相は国会審議を嫌う傾向があると報じられ、

  • 通常国会冒頭での衆院解散

  • 予算成立の遅れ

  • 官僚とのコミュニケーション不足 などが指摘されています。

官僚からは「資料を置いていってと言われ、説明時間がほとんどない」との声もあり、政策立案の効率性に疑問が呈されています。


③ 外交の偏り(対米傾斜)

トランプ政権との関係を重視するあまり、

  • 国際社会の懸念を十分に共有しない

  • 中国との関係悪化

  • イラン情勢への対応の遅れ などが課題として挙げられています。


④ 人気取り政策への傾斜

読売新聞の分析では、 「大改革より小手先の人気取り政策に傾注している」 との指摘があります。

消費税ゼロなどの政策は支持を得やすい一方、財源問題や長期的な制度設計が不透明です。


5. 総合評価──10か月で見えた「強さ」と「危うさ」

高市政権の10か月を総合的に評価すると、 “強い政治基盤を背景に、短期的な成果を出しつつも、財政・外交・国会運営で構造的な課題を抱える政権”   と言えます。

強さ(功)

  • 歴史的な高支持率

  • 積極財政による景況感改善

  • 外交舞台での存在感

  • 政策の継続性とスピード感


危うさ(罪)

  • 財政規律への懸念

  • 円安・金利上昇

  • 官僚・与党とのコミュニケーション不足

  • 外交の偏り

  • 人気取り政策への傾斜


政権の評価は、今後の

  • 財政運営

  • 国際情勢への対応

  • 憲法改正の進め方

  • 国会との関係改善 によって大きく変わる可能性があります。


まとめ:高市政権は「期待と不安が同居する政権」

発足から10か月の高市政権は、

  • 強い支持

  • 大胆な政策

  • 外交での存在感 というプラス面と、

  • 財政リスク

  • 国会運営の不安

  • 外交の偏り というマイナス面が同居する政権です。

今後の日本政治を左右する重要な局面にあり、 政権の舵取りが日本経済・外交・財政の未来に大きな影響を与えることは間違いありません。

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