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無線機を壊した警備員の話――無線機の扱い方注意点

  • sinsirokeibi
  • 2月7日
  • 読了時間: 4分

警備員、無線機を壊す


朝はいつも同じように始まる。制服に着替え、装備品を確認し、最後に無線機の電源を入れる。それが警備員としての一日のスイッチだ。


その日も、いつも通りだった。「よし、電源オン」ピッ。表示が点灯し、見慣れた起動画面が現れる。ここまでは問題ない。


音声確認をしようと、送信ボタンを押す。……無音。あれ?


もう一度押す。……やっぱり音が出ない。


「おかしいな」


無線機を離し、液晶画面を見る。そこで、違和感に気づいた。電池マークが、落ち着きなく点灯を繰り返しているのだ。


三つ点いたかと思えば、次の瞬間には二つに減る。かと思えば、「要充電」の表示が出る。いやいや、さっきまで三つあったじゃないか。


「……情緒不安定か?」


そんな冗談を言ってみても、無線機は一向に落ち着かない。一度、電源を切ってみることにした。


長押し。……切れない。


もう一度、しっかり長押し。……切れない。


「おいおい」


何度試しても、電源が落ちる気配がない。ボタンを押しても、押しても、無反応。仕方なく、裏蓋を開け、電池を外してみた。


——その瞬間、ようやく画面が消えた。


「やっと切れた……」


安堵と同時に、不安が押し寄せてくる。これは、明らかに“いつもの不調”ではない。


前日までは普通に使えていた。通信も問題なかったし、電池の減りも特に早くなかった。じゃあ、今日までの間に何があった?


昨日の業務終了後のことを思い出す。点検をして、無線機を片付けて……。


その瞬間、頭の中で警報が鳴った。


「あ」


思い出した。前日、電池があまり減っていなかったのだ。


「これ、まだ全然使えるな。明日もこのままでいいか」


そう思って、充電器に挿さず、つい車内に置いたまま帰ってしまった。そしてその夜、気温はぐっと下がった。


一晩中、冷え切った車内。そこで無線機は、じっと朝を待っていたのだ。


翌朝。凍死体よろしく、冷え切った体のまま、いきなり電源を入れられる無線機。


——そりゃ、調子も狂う。


幸いなことに、無線機は2台あった。もう1台を確認すると、こちらは特に異常がない。


「助かった……」


とはいえ、壊れた可能性のある1台は修理に出すしかない。無線機は高い。これ1台で、何日分の労働が必要だろうか。


計算しようとして、途中でやめた。気の遠くなる思いがしたからだ。


こうして私は、冬の寒さと油断が無線機を壊すという、痛い教訓を身をもって知ることになった。



無線機の注意点

今回の出来事は、笑い話で済ませたいところだが、業務に支障が出る以上、笑ってはいられない。同じ失敗を繰り返さないためにも、無線機の扱いで特に気をつけたい点を整理しておきたい。


1.冬場、車内放置は絶対に避ける

冬の車内は、想像以上に冷える。夜間は外気温とほぼ同じ、場合によってはそれ以下になることもある。

電子機器にとって、低温は大敵だ。特にバッテリーは冷えに弱く、性能低下や誤作動の原因になる。

「短時間だから」「一晩くらい大丈夫だろう」その油断が、今回のような結果を招く。


2.冷えた無線機は、すぐに電源を入れない

もし寒い場所に置いてしまった場合、いきなり電源を入れないことが重要だ。

まずは室温に戻す。しばらく置いて、無線機本体が常温になってから電源を入れる。

急激な温度変化は、内部結露を起こす可能性もあり、故障の原因になる。


3.電池残量があっても、基本は充電する

「まだ残っているから大丈夫」この判断が、結果的にトラブルを招いた。

業務用機器は、使う前提で最良の状態にしておくのが基本だ。電池残量が少しでも減っているなら、迷わず充電する。


4.電源や表示に異常を感じたら、無理に使わない

電池マークが不安定に変わる。電源が切れない。

こうした症状が出た時点で、すでに異常は起きている。無理に使い続けると、症状を悪化させる可能性がある。


5.無線機は「消耗品であり、精密機器」

つい乱雑に扱いがちだが、無線機は精密機器だ。落下、衝撃、温度変化、水濡れ——どれにも弱い。

そして何より、高価である。壊れてから、その重みを実感するのでは遅い。

無線機は、警備員にとって「声」であり、「命綱」でもある。今回の失敗は、自分の油断が招いたものだった。

冬の寒さは、容赦がない。人間だけでなく、機械にも厳しい。

この話が、どこかの誰かの無線機を救うことにつながれば、修理代を思い出すたびに感じる、あの胸の痛みも、少しは報われる気がする。

どうか皆さん、無線機は、暖かい場所で、大切に。

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