【続・大人の教養】知らないと損?ふるさと納税の問題点と制度改正の歴史―今のルールはどうなっているのか

前回の記事では、ふるさと納税の基本的な仕組みについて解説しました。
ふるさと納税は、本来納める税金の一部について寄付先の自治体を選び、その地域の特産品などを受け取れる制度です。
しかし実は、この制度はスタート以来さまざまな問題を抱えてきました。
現在のふるさと納税は、制度開始当初と比べてかなり厳しいルールのもとで運用されています。
なぜ国は何度もルールを改正してきたのでしょうか。
今回は、ふるさと納税の問題点と制度改正の歴史を振り返りながら、現在の仕組みについて解説します。
ふるさと納税は「返礼品競争」が過熱した
制度が始まった当初、自治体は寄付を集めるためにさまざまな返礼品を用意しました。
最初は地域の特産品が中心でした。
しかし次第に競争が激しくなります。
少しでも寄付を集めたい自治体が、
・高級牛肉
・高級家電
・旅行券
・商品券
・ギフトカード
などを返礼品として用意するようになりました。
本来の目的は地域振興だったはずですが、いつしか
「どこが一番お得か」
という競争になっていったのです。
寄付額よりも返礼品の豪華さが注目される状況に対し、多くの専門家から疑問の声が上がりました。
商品券や金券類も登場していた
制度が過熱していた時期には、実質的に現金に近い価値を持つ返礼品も存在しました。
・地域共通商品券
・オンラインギフト券
・旅行ポイント
・家電量販店で利用可能な商品券
などが話題になりました。
中には、
「地域振興というよりも実質的な値引き制度ではないか」
との批判もありました。
自治体同士が返礼品で競争を繰り返せば、本来支援したい地域を選ぶ制度から離れてしまいます。
そこで国は規制強化に動き始めました。
国は次々とルールを厳格化
現在では返礼品に厳しい基準が設けられています。
代表的なのが、
「返礼品の価値は寄付額の3割以下」
というルールです。
例えば3万円の寄付であれば、返礼品は概ね9,000円相当までという考え方です。
また、
その地域で生産されたもの
地域内で主要な工程が行われたもの
地域との関連性が認められるもの
などに限定されています。
そのため現在は、以前のように豪華家電や換金性の高い商品を自由に返礼品にすることは難しくなっています。
最近話題になった「ポイント還元競争」
返礼品規制が進む中で、新たな競争が始まりました。
それがポイント還元です。
ふるさと納税ポータルサイトでは、
・寄付額の数%分のポイント付与
・キャンペーンによる大量還元
・期間限定の高還元イベント
などが行われるようになりました。
利用者にとっては魅力的ですが、
・自治体への寄付なのか
・ポイント獲得競争なのか
分かりにくくなってきた側面もあります。
このため国は再び制度の見直しを進め、ポイント還元競争についても規制を強化する流れとなっています。
それでもふるさと納税は魅力的
さまざまな規制が入ったとはいえ、ふるさと納税の魅力は今も変わりません。
地域の特産品を楽しめること。
自分が応援したい自治体を選べること。
地方創生に貢献できること。
そして何より、
「どうせ納めることになる税金の一部について、自分で使い道を選べる」
という点にあります。
そのため利用者は年々増え続けています。
いくらまで寄付できるのか
ここで多くの人が気になるのが、
「自分はいくらまで寄付できるのか」
という点でしょう。
ふるさと納税には上限額があります。
上限を超えた部分は通常の寄付となるため注意が必要です。
あくまで目安ですが、
年収300万円なら ⇒約2万~3万円程度
年収500万円なら ⇒約6万円前後
年収700万円 ⇒約10万円前後
年収1,000万円なら ⇒約18万円前後
が上限の一つの目安とされています。
ただし、
・扶養家族の有無
・住宅ローン控除
・医療費控除
・配偶者控除
などによって大きく変わります。
実際に利用する際は、各ポータルサイトのシミュレーターを利用するのが確実です。
実は手続きはそれほど難しくない
「確定申告が面倒そうだから」
という理由で利用していない人も意外と多いようです。
しかし会社員の多くは「ワンストップ特例制度」を利用できます。
この制度を利用すれば、
寄付先が5自治体以内
確定申告が不要
という条件のもと、確定申告を行わなくても控除を受けることができます。
最近ではオンライン申請に対応する自治体も増えており、スマートフォンだけで手続きが完了するケースもあります。
そのため昔に比べると、かなり利用しやすくなっています。
本来の目的を忘れてはいけない
ふるさと納税というと、
・返礼品
・お得
・ポイント
という話題ばかりが注目されがちです。
しかし本来の目的は地方を応援することです。
過疎化が進む町。
子育て支援に取り組む自治体。
災害復興を進める地域。
そうした自治体に全国から支援を届ける仕組みとして誕生しました。
制度が続いているのも、その目的に一定の意義があるからでしょう。
まとめ
ふるさと納税は魅力的な制度である一方、これまで返礼品競争やポイント還元競争など、さまざまな問題も抱えてきました。
その結果、
・返礼品は寄付額の3割以下
・地域と関係の深い返礼品に限定
・換金性の高い返礼品の排除
・ポイント競争への規制強化
など、制度は徐々に見直されてきました。
現在のふるさと納税は、制度開始当初よりもルールが整備され、本来の趣旨である地域支援に近づいてきています。
利用したことがない方も、
「難しそう」
と思う必要はありません。
まずは自分のおおよその上限額を調べ、応援したい自治体や気になる特産品を探してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
思っている以上に身近で、そして地域とのつながりを感じられる制度かもしれません。



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