「車が全然止まってくれない…そんな経験ありませんか?」
- sinsirokeibi
- 3月13日
- 読了時間: 4分

交通誘導の仕事をしていると、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。
「止まってください」と合図を出しているのに、車がそのまま通過してしまう。止まる気配がなく、慌てて大きく旗を振ることになる。
そして思うわけです。「なんで止まってくれないんだろう?」
しかし、こうした状況の多くは、ドライバーのマナーの問題だけではありません。もちろん中には強引に通過する車もありますが、実際には「分かりにくい誘導」になっているケースが少なくないのです。
つまり、警備員は「やっているつもり」でも、ドライバーから見ると伝わっていないということです。
今回は、車が止まってくれない原因と、その改善方法について考えてみたいと思います。
一番多い原因は「分かりにくい誘導」
車が止まらない原因として、最も多いのがこれです。
誘導が分かりにくい。
警備員本人はしっかり誘導しているつもりでも、ドライバーから見ると「止まれなのか進めなのか分からない」ということがあります。
例えばよくあるのが、
・旗が中途半端な高さ
・体の向きが曖昧
・動きが小さい
・タイミングが遅い
こうした誘導は、警備員本人には「ちゃんとやっている」ように感じても、遠くから来るドライバーには非常に分かりにくいものです。
交通誘導で大切なのは、「やっているつもり」ではなく相手に伝わることです。
「自分ではできている」という思い込み
誘導が分かりにくくなる原因の一つが、自分ではできていると思い込んでしまうことです。
交通誘導は、意外と自分の姿を見る機会がありません。現場では鏡もありませんし、自分の動きを客観的に確認することもほとんどありません。
そのため、
「ちゃんと旗を上げている」「大きく動いている」
と思っていても、実際には思ったより小さい動きになっていることが多いのです。
特に多いのが、旗が真上まで上がっていないというケースです。
基本は「手を真上に上げる」
交通誘導の停止合図の基本は、手や旗を真上に上げることです。
しかし実際の現場を見てみると、
・肩の高さ
・顔の高さ
・斜めに上がっている
このように、真上まで上がっていないケースが非常に多いのが現実です。
警備員本人は「上げている」と思っていても、遠くから見ると目立ちません。ドライバーからすると、ただ立っているように見えることさえあります。
真上に上げる。これだけで、誘導の分かりやすさは大きく変わります。
ドライバーの視界に入るタイミングが重要
もう一つ重要なのが、反応の早さです。
よくあるのが、ドライバーが近づいてきてから旗を上げるパターンです。
しかしこれは、実は少し遅いのです。
ドライバーは、まず警備員の姿を見つけます。そして次に「何をしているのか」を判断します。この判断にはわずかな時間が必要です。
もし警備員が、ドライバーに見えてから旗を上げると、その判断の時間が足りなくなります。その結果、ドライバーは「そのまま進もう」と判断してしまうことがあります。
理想的なのは、
ドライバーの視界に警備員が入った瞬間、旗を上げ始めている状態。
これです。
つまり、ドライバーが「警備員がいる」と気づいた時には、すでに停止の合図が見えている状態です。これが最も分かりやすい誘導になります。
自分の誘導を見直す方法
では、どうすれば「分かりにくい誘導」を改善できるのでしょうか。
一番良い方法は、自分の動きを客観的に見ることです。
例えば次のような方法があります。
鏡を使う事務所などで、旗の上げ方を鏡で確認するだけでも、自分が思っている動きとの違いに気づくことがあります。
動画を撮るスマートフォンで自分の誘導を撮影すると、意外なほど多くの発見があります。「こんなに小さな動きだったのか」と驚くことも少なくありません。
上手い人に見てもらう経験豊富な警備員や、誘導が上手な人に見てもらうのも非常に効果的です。第三者の視点でアドバイスをもらうと、自分では気づかなかった改善点が見えてきます。
分かりやすい誘導が安全につながる
交通誘導は、ただ合図を出せばよいというものではありません。
大切なのは、誰が見ても分かる誘導です。
遠くから来るドライバーが、迷うことなく判断できる。「ここは止まる場所だ」と一瞬で理解できる。
そうした誘導ができれば、急ブレーキや混乱も減り、現場の安全は大きく向上します。
「止まらない」のではなく「伝わっていない」
車が止まってくれないとき、つい「ドライバーが悪い」と思ってしまうこともあります。
もちろんそういうケースもあります。しかし実際には、誘導が伝わっていないだけということも少なくありません。
真上まで旗を上げる。早めに合図を出す。大きく分かりやすく動く。
こうした基本を意識するだけでも、ドライバーの反応は大きく変わります。
もし「車が全然止まってくれない」と感じることがあれば、一度だけ自分の誘導を見直してみてください。ほんの少しの工夫で、驚くほど状況が変わることもあるのです。



コメント