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不老の研究で話題の内藤教授が推奨!健康寿命をのばす腸内細菌と便ドックとは?

  • sinsirokeibi
  • 10月22日
  • 読了時間: 12分
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不老の研究で話題の内藤裕二教授は、健康寿命の鍵は「腸内細菌」にあると提唱します。本記事では、なぜ腸が老化に関わるのか、自分の腸内フローラを知る検査「便ドック」の重要性、そして今日から実践できる生活習慣までを解説します。


1. 不老の研究で注目される内藤裕二教授とはどのような人物か

「不老長寿」や「アンチエイジング」といったテーマが注目される中、その鍵を握る「腸内細菌」研究の第一人者としてメディアにも多数出演されているのが、京都府立医科大学大学院医学研究科の内藤裕二(ないとう ゆうじ)教授です。消化器内科の専門医として長年臨床に携わる傍ら、老化やさまざまな病気と腸内環境との関連を解明する研究で、国内外から高い評価を得ています。


1.1 腸内細菌研究の第一人者としての経歴と実績

内藤教授は、消化器病学、特に腸内フローラ(腸内細菌叢)と消化管の炎症や老化に関する研究のスペシャリストです。その豊富な知識と分かりやすい解説から、テレビ番組や雑誌などでも頻繁にそのお名前を目にします。教授の主な経歴と活動は以下の通りです。


内藤裕二教授 プロフィール

項目

内容

所属

京都府立医科大学大学院 医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授

専門分野

消化器病学、消化管学、腸内フローラ、抗酸化、消化器免疫

主な研究テーマ

腸内細菌と老化・健康寿命との関連、生活習慣病と腸内環境、百寿者(センテナリアン)の腸内細菌研究など

主なメディア出演

NHKスペシャル「人体Ⅱ 遺伝子」や「食の起源」など多数

主な著書

「人生を変えるすごい腸活」「100歳まで生きるための腸内細菌の育て方」など多数


1.2 「不老長寿」研究へのアプローチとは

内藤教授が「不老の研究」で注目される理由は、単に若返りを追求するのではなく、健康なまま長生きする「健康寿命」をいかにして延ばすかという点に焦点を当てているからです。

教授は、老化や病気の原因の多くが、消化管、特に「腸」の状態と深く関わっていると考えています。そして、その腸の状態を左右するのが、私たちの腸内に100兆個以上も生息していると言われる「腸内細菌」です。内藤教授は、この腸内細菌のバランスを整えることが、老化のスピードをコントロールし、健康長寿を実現するための鍵であると提唱しています。

特に、100歳以上の健康な高齢者「百寿者(センテナリアン)」の腸内細菌を分析する研究などを通じて、どのような腸内環境が健康長寿につながるのかを科学的に解明しようと取り組んでいます。


2. 健康寿命の鍵は腸にあり 内藤教授が語る腸内細菌の重要性

「人生100年時代」と言われる現代、単に長生きするだけでなく、いかに健康で自立した生活を送れるか、つまり「健康寿命」を延ばすことが重要視されています。その鍵を握るとして、京都府立医科大学の内藤裕二教授をはじめとする多くの専門家が注目しているのが、私たちの腸内に棲む「腸内細菌」です。

内藤教授は、長年にわたり消化器病学と腸内細菌の研究をリードしてきました。その研究から、腸内環境の状態が、私たちの老化のスピードやさまざまな病気の発症に深く関わっていることが明らかになってきています。ここでは、内藤教授が提唱する腸内細菌の重要性について、詳しく解説していきます。


2.1 そもそも腸内細菌とは 善玉菌・悪玉菌・日和見菌の働き

私たちの腸内には、約100兆個もの細菌が種類ごとにまとまって生息しており、その様子がお花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。これらの腸内細菌は、働きによって大きく3つのグループに分けられます。

種類

代表的な菌

主な働き

善玉菌

ビフィズス菌、乳酸菌など

・ビタミンや短鎖脂肪酸を生成する


・腸の運動を活発にする


・免疫機能を高める

悪玉菌

ウェルシュ菌、ブドウ球菌など

・有害物質や発がん性物質を生成する


・腸内環境をアルカリ性に傾ける


・便秘や下痢の原因になる

日和見菌

バクテロイデス、大腸菌(無毒株)など

・腸内で優勢な方の菌の味方をする


・善玉菌にも悪玉菌にもなりうる

健康な腸内では、これらの菌が絶妙なバランスを保っています。理想的なバランスは「善玉菌2割:悪玉菌1割:日和見菌7割」とされています。最も数の多い日和見菌は、善玉菌が優勢な環境では大人しくしているか善玉菌を助けますが、悪玉菌が増えると途端に悪玉菌として働き始め、腸内環境を一気に悪化させてしまう特徴があります。


2.2 なぜ腸内細菌が老化や病気に関係するのか

腸内細菌が健康や老化に影響を与える理由は、細菌が作り出す「代謝物」にあります。特に善玉菌が食物繊維などをエサにして作り出す「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」は、私たちの健康維持に欠かせない重要な物質です。

短鎖脂肪酸には、以下のような働きがあります。

  • 大腸の主要なエネルギー源となり、腸のバリア機能を高める

  • 全身の過剰な炎症を抑える(抗炎症作用)

  • 免疫細胞をコントロールし、免疫機能を正常に保つ

  • 悪玉菌の増殖を抑制する

しかし、食生活の乱れやストレス、加齢などによって腸内環境が悪化し悪玉菌が優勢になると、短鎖脂肪酸の産生が減少します。代わりに、悪玉菌はインドールやスカトールといった腐敗物質(有害物質)を大量に作り出します。これらの有害物質は腸管から吸収されて血液に乗り、全身を巡ります。その結果、肌荒れや体臭の原因になるだけでなく、細胞の老化を促進したり、動脈硬化や糖尿病、がんといった生活習慣病のリスクを高めたりすると考えられています。

つまり、腸は単なる消化器官ではなく、腸内細菌を通じて全身の健康と老化をコントロールする司令塔のような役割を担っているのです。


2.3 百寿者の腸内に多い菌からわかる健康長寿のヒント

内藤教授らの研究グループは、100歳以上の健康長寿者(百寿者・センテナリアン)の腸内環境を調査し、興味深い事実を発見しました。それは、百寿者の腸内には、一般の高齢者と比較して特定の腸内細菌が豊富に存在するということです。

特に注目されているのが、「酪酸(らくさん)」という短鎖脂肪酸を産生する能力に長けた「酪酸産生菌」です。酪酸は、大腸の粘膜細胞のエネルギー源として最も重要で、腸のバリア機能の維持や免疫系の調整に中心的な役割を果たします。

また、胆汁酸を代謝して「イソアロリトコール酸」という特殊な物質を作り出す菌も多く見つかりました。この物質は、悪玉菌の一種であるクロストリジウム・ディフィシルの増殖を抑える強力な作用を持つことがわかっています。

これらの研究結果は、健康長寿を実現するためには、酪酸産生菌をはじめとする特定の有用菌を腸内で育て、維持することが極めて重要であることを示唆しています。自分の腸内にどのような菌がいて、どのような働きをしているかを知ることが、不老、そして健康長寿への第一歩となるのです。


3. 自分の腸内環境を知る第一歩 内藤教授も推奨する便ドック

腸内環境の重要性を提唱する内藤教授は、まず自分自身の腸内を知ることから始めるべきだと語ります。そのための有効な手段が、近年注目されている「便ドック」です。これは、大腸カメラのような身体的負担がなく、手軽に腸内フローラの状態を可視化できる画期的な検査です。


3.1 便ドックとはどんな検査?腸内フローラ検査でわかること

便ドックとは、便を少量採取し、最新の遺伝子解析技術(次世代シーケンサーなど)を用いて、腸内に生息する細菌の種類や数、そのバランスを網羅的に調べる検査のことです。腸内フローラ検査とも呼ばれ、私たちの健康状態を映し出す「腸内のお便り」を科学的に解読する試みと言えます。この検査によって、目には見えない腸内の様子を詳細に把握することが可能になります。

検査項目

わかることの詳細

菌の多様性

腸内細菌の種類がどれだけ豊富かを示します。多様性が高いほど、環境変化に強い健康的な腸であるとされています。

主要な菌の割合

ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」、ウェルシュ菌などの「悪玉菌」、そしてどちらにもなりうる「日和見菌」のバランスがわかります。

有用菌・要注意菌の有無

健康長寿に関わる酪酸産生菌や、美容に関係するエクオール産生菌の有無、注意すべき特定の悪玉菌の量などをチェックできます。

腸内環境のタイプ判定

検査結果から総合的に腸年齢を算出したり、太りやすさや特定の疾患リスクに関連する腸内環境のタイプを判定したりします。


3.2 便ドックのメリットと具体的な検査方法

便ドック最大のメリットは、痛みや苦痛を伴わず、自宅で手軽に実施できる点です。医療機関へ何度も足を運ぶ必要がなく、普段の生活リズムを崩さずに自分の腸と向き合うことができます。検査方法は非常にシンプルで、誰でも簡単に行えます。

  1. 申し込みとキットの受け取り


    医療機関やオンラインで検査を申し込みます。後日、採便キットが自宅に郵送されます。


  2. 自宅での採便


    キットに同封されている説明書に従い、便を少量採取します。専用の採便シートを使えば、トイレを汚す心配もありません。


  3. 検体の返送


    採取した検体を、指定の容器に入れ、返送用の封筒で検査機関へ郵送します。


  4. 結果の確認


    約3週間から1ヶ月半ほどで、検査結果レポートがWebや郵送で届きます。レポートには、あなたの腸内環境の状態や、それに基づいた食生活・生活習慣のアドバイスが記載されています。


3.3 便ドックはどこで受けられる?費用とクリニックの選び方

便ドックは、人間ドックのオプションとして提供しているクリニックや消化器内科などの医療機関、または市販の検査キットを利用して個人で申し込む方法があります。費用は検査機関や解析項目の詳しさによって異なりますが、おおよそ1万5千円から3万円程度が相場で、原則として自由診療となります。

どの検査を選ぶか迷った際は、以下のポイントを参考に比較検討することをおすすめします。

比較ポイント

チェックすべき内容

検査項目の充実度

基本的な菌のバランスだけでなく、酪酸産生菌や疾患リスクなど、自分が知りたい情報が含まれているかを確認しましょう。

レポートの分かりやすさ

専門用語ばかりでなく、グラフやイラストを用いて直感的に理解できるか、具体的な生活改善アドバイスが記載されているかが重要です。

アフターフォロー体制

医療機関で受ける場合、医師から直接結果説明を受けられるメリットがあります。検査キットによっては、管理栄養士への相談サービスが付帯しているものもあります。

単に結果を知るだけでなく、その後のアクションに繋げることが大切です。自分の目的に合ったサービスを選ぶことで、検査を最大限に活用できるでしょう。


4. 今日から実践 内藤教授が教える腸内細菌を元気にする習慣

便ドックでご自身の腸内環境を把握したら、次はいよいよ実践です。腸内細菌は日々の生活習慣、特に食事や運動、睡眠に大きく影響を受けます。ここでは、内藤教授が推奨する、腸内にいる多種多様な菌を元気にし、健康寿命を延ばすための具体的な生活習慣について詳しく解説します。


4.1 食事編 発酵食品と食物繊維を積極的に摂る

腸内環境を整える食事の基本は、腸内にすむ善玉菌そのもの(プロバイオティクス)と、その善玉菌のエサとなる成分(プレバイオティクス)を一緒に摂る「シンバイオティクス」という考え方です。特定の食品に偏るのではなく、多様な食材をバランス良く取り入れることが、腸内細菌の多様性を高める鍵となります。

具体的にどのような食品を摂取すれば良いのか、下の表にまとめました。



腸内環境を整える食品

種類

働き

多く含まれる食品

プロバイオティクス


(善玉菌)

生きた善玉菌を直接腸に届け、腸内フローラのバランスを整える。

ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、ぬか漬け、チーズなどの発酵食品

プレバイオティクス


(善玉菌のエサ)

腸内の善玉菌を増やし、活性化させる。短鎖脂肪酸の産生を助ける。

  • 水溶性食物繊維: 海藻類(わかめ、昆布)、果物(りんご、バナナ)、きのこ類、大麦、ごぼう

  • 不溶性食物繊維: 豆類、野菜(キャベツ、レタス)、玄米、きのこ類、いも類

  • オリゴ糖: 玉ねぎ、ごぼう、にんにく、アスパラガス、大豆、バナナ

大切なのは、毎日コツコツと継続することです。例えば、朝食にヨーグルトとバナナ、昼食にわかめの味噌汁、夕食に納豆と野菜の煮物を加えるなど、毎日の食事に少しずつプラスすることから始めてみましょう。


4.2 運動・睡眠編 腸内環境を整える生活リズム

腸内環境は食事だけで決まるわけではありません。運動や睡眠といった生活リズムも、自律神経や腸の動き(蠕動運動)を通じて腸内細菌に大きな影響を与えます。心と体の健康を保つことが、巡り巡って腸の健康につながるのです。


4.2.1 適度な運動で腸を刺激する

運動は、腸の血流を促進し、蠕動運動を活発にする効果があります。また、心地よい汗をかくことは、自律神経のバランスを整え、ストレス解消にも役立ちます。激しいトレーニングは必要ありません。まずは以下の運動を生活に取り入れてみましょう。

  • ウォーキング: 1日20〜30分程度、少し早歩きを意識するのがおすすめです。食後の軽い散歩も効果的です。

  • ストレッチやヨガ: 体をひねる動きや伸ばす動きは、直接腸を刺激し、お通じの改善にもつながります。

  • 軽いジョギング: 無理のない範囲で有酸素運動を行うことで、全身の血行が良くなります。


4.2.2 質の高い睡眠で腸を休ませる

睡眠中は、副交感神経が優位になり、腸がリラックスして活発に働く時間です。睡眠不足や不規則な睡眠は、自律神経の乱れを引き起こし、腸内環境を悪化させる原因となります。毎日決まった時間に寝起きし、体内時計を整えることが重要です。

質の高い睡眠のために、以下の点を心がけましょう。

  • 就寝1〜2時間前に入浴し、体を温める。

  • 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える。

  • 朝起きたら太陽の光を浴び、体内時計をリセットする。

  • カフェインの摂取は午後の早い時間までにする。

食事、運動、睡眠という基本的な生活習慣を見直すことが、元気な腸内細菌を育み、不老、ひいては健康長寿への確実な一歩となります。


5. まとめ

不老の研究でも注目される内藤裕二教授が提唱するように、健康寿命の鍵は腸内細菌が握っています。まずは便ドックでご自身の腸内環境を把握し、発酵食品や食物繊維で腸を元気にすることが重要です。今日から始める腸活が、未来の健康へと繋がります。

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