【超わかる図解】地震の「震度」と「マグニチュード」の違いを徹底解説!
- sinsirokeibi
- 10月17日
- 読了時間: 10分
地震のニュースで聞く「震度」と「マグニチュード」、その違いを正しく説明できますか?この記事を読めば、2つの指標の違いが図解で一目瞭然になります。結論は、震度が「その場所の揺れの強さ」、マグニチュードが「地震そのものの規模」です。

1. 【図解】地震の震度とマグニチュード ひと目でわかる違い
地震のニュースで必ず耳にする「震度」と「マグニチュード」。この2つの言葉はよく混同されがちですが、意味は全く異なります。まずは、それぞれの違いをひと目でわかるように表で比較してみましょう。
このように、私たちが実際に生活している場所で感じる「揺れの強さ」が震度であり、地震そのものが持つ「エネルギーの大きさ(規模)」がマグニチュードです。震度は震源からの距離や地盤の固さなどによって場所ごとに変わりますが、マグニチュードは一つの地震に対して原則一つだけという点が大きな違いです。
この基本的な違いを頭に入れた上で、次の章からそれぞれの指標について、より詳しく掘り下げていきましょう。
2. 震度とは あなたのいる場所の「揺れの強さ」を示す指標
ニュース速報で「〇〇県で震度5弱を観測」と聞くことがありますね。この「震度」とは、ある場所が地震によってどのくらい強く揺れたかを示す指標です。つまり、地震そのもののエネルギーの大きさではなく、あなたが今いる地点での「体感的な揺れの強さ」を表すものと考えると分かりやすいでしょう。震度は、日本全国に設置された震度計という機械で自動的に観測され、気象庁によって発表されます。
2.1 気象庁が定める震度階級 全10段階をわかりやすく解説
日本の気象庁は、震度を0から7までの10段階に分けています(震度5と6は「弱」と「強」に分かれます)。震度階級が上がるにつれて、揺れは強くなり、被害も大きくなります。それぞれの震度で、人や建物がどのような影響を受けるのか、以下の表で確認してみましょう。
このように、震度5強を超えると、身の回りで具体的な被害が出始め、行動が著しく制限されることがわかります。
2.2 同じ地震でも場所によって震度が違う理由
1つの地震が発生したとき、ニュースでは「A市は震度5強、隣のB市は震度4」というように、場所によって異なる震度が報じられます。これは、震度が観測地点ごとの揺れの強さを示す指標だからです。
場所によって震度が変わる主な理由は、大きく2つあります。
震源からの距離
地震の揺れは、波のように地面を伝わります。そのため、地震が発生した場所(震源)から近いほど揺れは強く(震度は大きく)、遠くなるほど揺れは弱く(震度は小さく)なります。
地盤の固さ
揺れの伝わり方は、その場所の地盤の性質に大きく影響されます。例えば、固い岩盤のような地盤は揺れにくい一方、砂や粘土でできた柔らかい地盤(沖積平野など)は、まるでプリンのように揺れが増幅されやすく、震度が大きくなる傾向があります。
このほか、地震が発生した深さ(震源の深さ)も関係します。震源が浅い地震ほど、エネルギーが地表に直接的に伝わるため、震源の真上付近では局地的に非常に大きな震度を記録することがあります。
3. マグニチュードとは 地震そのものの「規模・エネルギー」を示す指標
「震度」が特定の場所での“揺れの強さ”を表すのに対し、「マグニチュード(M)」は、地震そのものが持つエネルギーの大きさ(規模)を示す指標です。震源でどれだけ大きなエネルギーが放出されたかを示す数値なので、観測する場所によって変わることはありません。
地震の規模を表す単位として、日本では主に気象庁が用いる「気象庁マグニチュード(Mj)」が使われています。
3.1 マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍になる
マグニチュードの数値は、私たちの直感とは少し異なります。数値が「1」増えると、地震のエネルギーは約32倍に、「2」増えると1000倍(約32倍 × 約32倍)にもなります。
例えば、マグニチュード7の地震とマグニチュード8の地震では、数字の上ではわずか1の違いですが、放出されるエネルギーには約32倍もの差があるのです。この関係性を知ることで、マグニチュードの数値が持つ意味の大きさをより深く理解できます。
3.2 1つの地震にマグニチュードは原則1つ
震度は観測地点ごとに異なるため、1つの地震で「震度7の地域」「震度5強の地域」のように複数の値が存在します。一方、マグニチュードは地震のエネルギーそのものを表すため、1つの地震に対してマグニチュードの値は原則として1つだけです。
気象庁は、日本全国の地震計の観測データをもとに震源や地震の規模を計算し、マグニチュードを決定して発表します。そのため、どこでニュースを見ても、同じ地震であればマグニチュードの値は同じになります。
4. 【比較図解】震度とマグニチュードの関係性を整理しよう
これまでの解説で、「震度」と「マグニチュード」がそれぞれ全く異なる指標であることはご理解いただけたかと思います。この章では、両者の関係性をより深く理解するために、身近なものに例えながら比較し、その違いを整理していきましょう。
4.1 例えるなら「電球のワット数」と「手元の明るさ」
震度とマグニチュードの関係は、「電球」に例えると非常にわかりやすくなります。
この例えでは、地震のエネルギーそのものであるマグニチュードが「電球のワット数」にあたります。ワット数が大きいほど、電球が発する光のエネルギーは強力です。同様に、マグニチュードが大きいほど、地震が放出するエネルギーは莫大になります。
一方、私たちが特定の場所で感じる揺れの強さである震度は「手元の明るさ」に例えられます。同じ100ワットの電球でも、すぐそばにいれば手元は非常に明るく、遠く離れれば暗くなります。これと同じで、同じマグニチュードの地震でも、震源地の真上(震央)にいれば揺れは激しく(震度は大きく)、遠く離れた場所では揺れは弱く(震度は小さく)なります。
つまり、マグニチュードが地震の絶対的な規模を示すのに対し、震度は観測する場所によって変わる相対的な揺れの大きさを示す指標なのです。
4.2 震源の深さや地盤の固さが震度を左右する
同じマグニチュードの地震であっても、震度が場所によって異なる要因は、震源からの距離だけではありません。主に以下の2つの要素が大きく影響します。
4.2.1 震源の深さ
地震が発生した地下の点を「震源」と呼びますが、この震源が地表から浅いか深いかによって、揺れの伝わり方が大きく変わります。震源が浅い「直下型地震」のようなケースでは、エネルギーが地表に直接的に伝わるため、マグニチュードがそれほど大きくなくても、震源地周辺では局所的に非常に大きな震度を記録することがあります。
4.2.2 地盤の固さ
地震の揺れは、地面の状態によっても大きく変化します。固い岩盤のような地盤では揺れは比較的小さく収まりますが、河川の近くや埋立地などの柔らかい沖積地盤では、揺れが増幅される「地盤増幅」という現象が起こりやすくなります。これにより、同じ地域でも地盤の固い場所と柔らかい場所では震度が1階級以上異なることも珍しくありません。
このように、マグニチュードという絶対的なエネルギーが、震源からの距離、震源の深さ、そして地盤の固さといった様々な条件を経て、私たちが体感する「震度」という揺れの強さになって現れるのです。
5. 日本の過去の大地震から学ぶ震度とマグニチュード
これまでに解説した「震度」と「マグニチュード」の関係を、日本で実際に発生した大地震の例を通して見ていきましょう。地震そのものの規模(マグニチュード)が非常に大きくても、震源からの距離や深さによって、私たちがいる場所の揺れ(震度)は大きく変わることがよくわかります。
5.1 東日本大震災のケース
2011年に発生した東日本大震災は、日本の観測史上最大の規模を記録した地震です。その巨大なエネルギーは、非常に広い範囲に甚大な被害をもたらしました。
東日本大震災の最大の特徴は、マグニチュード9.0という日本の観測史上最大のエネルギーです。しかし、震源が宮城県沖の海底であり、陸地から離れていたため、最大震度は7でした。この地震は、マグニチュードが極めて巨大であっても、震源が遠いと地表での揺れ(震度)は限定的になることがある、ということを示しています。ただし、その巨大なエネルギーは大規模な津波を発生させ、沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。
5.2 熊本地震のケース
2016年に発生した熊本地震は、内陸の活断層が原因で発生した「直下型地震」です。短期間に震度7の激しい揺れが2度も観測されるという、極めて稀な経過をたどりました。
熊本地震(本震)のマグニチュード7.3は、東日本大震災(M9.0)に比べるとエネルギー規模でははるかに小さいです。しかし、震源が約12kmと非常に浅く、人口が集中する地域の真下で発生したため、局所的に極めて激しい揺れ(震度7)を引き起こしました。この事例は、マグニチュードの数字が比較的小さくても、震源が浅い直下型地震は特定の地域に甚大な被害をもたらす危険性があることを明確に示しています。
6. まとめ
本記事では地震の「震度」と「マグニチュード」の違いを図解しました。震度は今いる場所の揺れの強さ、マグニチュードは地震自体の規模を示す全く別の指標です。この違いを正しく理解し、気象庁の情報に適切に備えることが防災の第一歩です。



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